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野村HD:7-9月期純利益は1386億円、17年ぶり高水準に

更新日時
  • 野村総研株の売却益733億円の計上寄与、02年1-3月期以来の水準
  • 難しい市場環境に加え、構造改革進める中でまずまずの成果とCFO

国内証券最大手の野村ホールディングスが29日発表した2019年7-9月期(第2四半期)の連結純利益は1386億円(前年同期は112億円の損失)だった。収益体質の改善に取り組んでいるホールセール部門が堅調だったほか、野村総合研究所の株式売却益733億円も計上。四半期別の純利益では過去最高を記録した02年1-3月期の2440億円以来の高水準となった。

Nomura Holdings Inc. Reports Second-Quarter Earnings

株式売却益も寄与し、高水準の利益となった野村HD

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  同日会見した北村巧財務統括責任者(CFO)は「難しい市場環境に加え、構造改革を進める中でまずまずの成果」と述べ、株式売却益の計上などもあり「非常に強い決算」と総括した。中間配当金は1株当たり15円(前年同期は同3円)とする。

7-9月期のセグメント別税前利益:(増減は前年同期との比較)
  • ホールセール     :3.8倍の189億円
  • 国内営業        : 57%減の53億円
  • アセット・マネジメント:13%増の100億円

  7-9月期のホールセール部門、国内営業部門、アセット・マネジメント部門の3セグメント合計の税引き前利益は前年同期比31%増の342億円だった。米州のフィクスト・インカム分野では金利商品が前四半期に続き堅調だったほか、エクイティ分野も増収となった。

  北村CFOは「低収益ビジネスを削減し競争優位性があるビジネスに注力した結果、収益の安定性が増した」と述べた。一方、国内営業部門は米中貿易摩擦による景気減速懸念などから個人投資家の様子見ムードが続き、総募集買い付け額(金融商品の総販売額)が同14%減少した。

7-9月期の主な収益:(増減は前年同期との比較)
  • 収益合計は28%増の5739億円
    • 委託・投信募集手数料は13%減の653億円
    • 投資銀行業務手数料は17%増の223億円
    • アセットマネジメント業務手数料は4.5%減の599億円
    • トレーディング損益は39%増の1056億円

  海外拠点の税前損益は2四半期連続の黒字となった。米州が11億円の黒字(前年同期は216億円の赤字)、アジア・オセアニアは105億円の黒字(同10億円の黒字)だったが、欧州は15億円の赤字(同116億円の赤字)となった。海外合計の損益は102億円の黒字(同322億円の赤字)。

  野村HDは4月、海外トレーディング部門など低成長・低収益ビジネスの縮小や欧州事業を見直すことなどを柱とした構造改革を発表した。北村CFOは22年3月期までに全社で1400億円としていたコスト削減目標について、9月末時点で「6割強まで進捗(しんちょく)させることができた」と述べた。

  S&Pグローバル・レーティングの主席アナリスト、松尾俊宏氏は海外を含むホールセール部門について「第1四半期ほど強くはなかったが、十分に堅調」と評価。構造改革の効果が出ているとみる。一方、今後は国内リテールを「注意してみていく必要がある」と指摘した。

  かつては収益の振れ幅が激しい海外部門をリテールも含めた国内部門が支えていてたが、現在は市場環境もあり厳しい状況が続いていると分析。収益力改善への取り組みが課題だとの認識を示した。

(アナリストコメントを追加するなどして記事を更新します)
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