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Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日銀現状維持ならバリュー相場第2幕-追加緩和でも銀行株は魅力

更新日時
  • 業績と景気ボトム重なり大きなバリュー相場-三菱モルガン・古川氏
  • マイナス金利深掘りでも銀行株は16年1月の急落とは異なる反応も
Pedestrians walk past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Monday, July 8, 2019. Governor Haruhiko Kuroda said extremely low interest rates will be kept in place until at least around next spring while the bank will keep an eye on risks for price momentum.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行が今週に追加の金融緩和を見送った場合、8月末から9月にかけて到来した銀行など景気敏感で割安なバリュー株相場が第2ラウンド入りする可能性がある。米中通商懸念が後退する中、景気や企業業績に対する悲観が行き過ぎたと再認識されそうだ。

  ブルームバーグが10月30、31日の日銀金融政策決定会合についてエコノミストに調査したところ、全体の過半数が現状維持を予想した。関係者によると、日銀は2%の物価安定目標に向けた勢いが毀損(きそん)されるリスクが著しく高まっているとは判断しておらず、金融市場の急変などが起こらなければ追加の金融緩和策を見送る方向で検討している。

日銀会合のサーベイはこちらをご覧ください

BOJ to Review Prices and Economy After Standing Pat for Now

黒田日銀総裁

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真チーフ・ポートフォリオストラテジストは「マイナス金利の深掘りにならなければ、景況感悪化で追加緩和が織り込まれた8-9月が長期金利のボトムだったと市場で受け止められる可能性がある」と述べた。そうなれば「景気に対して過剰反応だったとの反省が強まり、バリュー系の下げ過ぎの反動が継続するのではないか」とみる。

2016年のバリュー相場の記憶

  TOPIXは8月から戻り歩調となり、決算発表が本格化する中で10月28日には昨年12月以来の1650ポイントを一時回復した。その中で、TOPIXのグロースをバリューで除したレシオは8月末から9月中旬にかけて大きく低下しバリュー相場を形作ったが、足元ではグロースが盛り返している。半導体やゲーム、サービスなど独自の成長力を持ち相対的に景気変動に左右されづらいグロース株に対し、バリュエーションが割安なバリュー株は素材や商社、銀行といった景気敏感業種に多い。

  バリュー銘柄は景気に業績が左右されやすく、景気の先行きに対して市場心理が強気に傾いた際にアウトパフォームしやすい。英国の欧州連合(EU)離脱決定とトランプ米大統領が誕生した2016年7月から12月までは大きなバリュー相場が到来した。三菱モルガンの古川氏は「足元ではバリュー相場がワンセット終了した形だが、発表が本格化する7-9月期決算で業績のボトムが見えてくれば、業績と景気の両方のボトムのサイクルが重なる。16年と同様に大きな流れでのバリュー投資への目線が強く広くなる」と話す。

日銀会合後に再びレシオ低下か

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員も、米長期金利の上昇がバリュー相場の引き金になると予想する。今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが行われれば、「予防的利下げが奏功してリセッション(景気後退)が回避できるとの見方になり、米長期金利は2%を超える可能性がある」と指摘。その場合、「景況感が悪過ぎたことで売られた機械などのシクリカルバリューに続き、素材や銀行などのバリューまで相場が及ぶ。早ければ11月中旬、遅くとも12月には来るだろう」と語る。

追加緩和でも銀行は買われる公算

  一方、エコノミスト調査では3割がマイナス金利の深掘りを見込み、前回9月会合に関する調査での6%から増えた。マイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入した16年1月は銀行株が売られたが、たとえ追加緩和となった場合でも銀行株の反応は当時と異なるとの声がある。

  野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは、副作用への配慮から「マイナス金利深掘りとともにしっかり超長期金利を立たせる政策が出て、イールドカーブが立つのであれば銀行にポジティブ。マイナス金利が深くなると口座維持手数料を導入する余地があり、全体としてマイナスにならない」との見方だ。深掘りのネガティブな面についての市場認識から銀行株は「最初は売られるかもしれず、押し目買いは良いかもしれない」と述べた。

  同証券では、為替のドル・円相場の2%上昇、20年債金利の10ベーシス上昇という前提で、TOPIXは1週間から1カ月程度で約2%上昇、銀行株は約4%上がると試算した。

  29日の東京株市場では銀行や保険など金融、鉄鋼や非鉄金属、ガラス・土石など素材株といった景気敏感のバリュー株が軒並み値上がり上位となっている。バリュー相場で有望な業種について、三菱モルガンの古川氏は「売り込みの反動という点では鉄などの素材株。金利がボトムを打つという点でみると金融株で、株価純資産倍率(PBR)水準が低過ぎる銀行はそのど真ん中。長期金利が立つと生保など保険が加わる」とみていた。

(最終段落にきょうの市況とコメントを追加します)
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