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アルゼンチン大統領選、フェルナンデス氏が勝利-左派政権誕生へ

更新日時
  • フェルナンデス氏の公約は資金不足で就任早々困難に直面する見通し
  • 現職マクリ氏は8月の予備選よりも得票率の差を縮めた

27日投開票のアルゼンチン大統領選挙は、野党候補のアルベルト・フェルナンデス元首相(60)が勝利した。市場重視型の政策を進めていた現職のマウリシオ・マクリ氏は敗れ、同国は経済低迷の中、左派ポピュリズムへとかじを切ることになる。

Argentines Vote In The First Round General Election

アルベルト・フェルナンデス元首相

撮影:サラ・パブスト/ブルームバーグ

  開票率95%の段階でフェルナンデス元首相の得票率は48%と、決選投票なしで勝利が確定するのに必要な45%を上回った。マクリ氏は40%。

  マクリ氏は27日夜、選対本部で支持者らに演説し、敗北を認めるとともにフェルナンデス氏に祝意を表した。また、28日の昼食にフェルナンデス氏を招いたと述べた。

  一方、12月10日に大統領に就任するフェルナンデス氏はその直後に、副大統領への就任が決まったクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル前大統領と共にステージに上がり、支持者らに演説。「過去4年間に私に敵対してきた人たちが何を置き去りにしたかを認識し、国の再建においてわれわれを支援してくれるよう望む」と訴えた。また28日にマクリ氏と会って、政権移行について話し合うとした。

  フェルナンデス氏の勝利はマクリ政権の緊縮政策への反発であり、また、企業オーナーよりも労働者を重視する反エリート主義のペロニズムの復権を示唆する。有権者はマクリ政権の政策は庶民の生活とかけ離れていると見なした。

  しかし、両候補の得票率の差は、8月の予備選時の16ポイントから縮小、フェルナンデス氏の経済立て直しの手腕への懸念が存在することを示唆した。8月の予備選でマクリ氏が大差で敗北した後、市場は混乱し、同国通貨は急落、マクリ氏は資本規制導入を余儀なくされた。また、マクリ氏が率いる共和国提案(PRO)も一部選挙区で予想以上の善戦を見せた。

  コンサルティング会社ベリスク・メイプルクロフトの政治調査ディレクター、ヒメナ・ブランコ氏は、「これはマクリ氏にとって素晴らしい再起だ」と指摘。「敗北したものの、議会や今後の政治状況は一段と均衡することになる」と説明した。

早々と困難に直面か

  12月10日に就任するフェルナンデス氏の掲げる公約は、資金不足により早々と困難に直面する見通しだ。アルゼンチン経済はリセッション(景気後退)や50%を超えるインフレ率、10%強の失業率に加え、人口の3分の1が貧困ライン未満という問題に苦しんでいる。投資家はアルゼンチン政府がある時点でデフォルト(債務不履行)状態に陥ると予想している。

  フェルナンデス氏は今後、社会保障費増額を望む連立内の極左勢力と、昨年に過去最大規模の総額560億ドル(約6兆1000億円)の融資枠設定に同意した国際通貨基金(IMF)の双方の要求を満たしていく必要がある。フェルナンデス氏が財政均衡を危うくする政策を実施すれば、IMFがさらなる資金供給を拒否する可能性が高い。

中銀が通貨規制強化

  アルゼンチン中央銀行は28日、個人のドル購入額の制限を強化すると発表。個人のドル購入可能額は月200ドルとなる。9月1日には同1万ドルとされていた。これより先、同中銀の報道官は、金融機関は通常通り営業すると説明していた。

原題:Fernandez Wins in Argentina as Voters Rebuff Macri’s Austerity(抜粋)

(フェルナンデス氏の演説や中銀発表などを追加して更新します.)
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