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日銀会合は現状維持が過半数、マイナス金利深掘り3割-サーベイ

更新日時
  • 地銀決算が出る直前に利下げ策などは取り得ない-マネックス大槻氏
  • 本来やる必要ないが後に引けなくなっている-東海東京調査の武藤氏

日本銀行が30、31両日開く金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めると予想するエコノミストが過半数を占める一方で、3割はマイナス金利の深掘りを見込んでいることがブルームバーグの調査で分かった。

  エコノミスト46人を対象に18-23日に実施した調査で、10月会合での政策据え置きの予想は27人と6割を占めた。追加緩和を予想するのは19人で、全体の3割に当たる14人は現在マイナス0.1%の短期政策金利の引き下げを見込む。12月と来年1月の会合での追加緩和予想を合わせると7割に達している。

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日銀追加緩和をエコノミストの大半が予想

7割が来年1月会合までの実施見込む

Source: Bloomberg

  日銀は前回9月会合で、2%物価目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まればちゅうちょなく追加緩和に踏み切るとした上で、その恐れに「より注意が必要な情勢になりつつある」と指摘。10月会合で経済、物価動向を再点検すると表明した。

  BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは、円高傾向が止まっていることや内需が今のところ底堅いことなどを踏まえると、追加緩和の可能性は低いとみる。三井住友信託銀行の花田普調査部経済調査チーム長も、1ドル=100円を超えるような円高などの緊急事態に陥らない限り、フォワードガイダンスの強化など「やったふり緩和」に徹するとみる。

  マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストも「地方銀行の決算が出る直前で利下げなど刺激的な施策は取り得ない」と指摘。フォワードガイダンス(政策金利の指針)の強化程度が「妥当な線ではないか」と予想する。

  クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは、消費増税後の景気を判断する材料がそろっておらず、銀行が口座維持手数料を導入するリスクを甘受しても金融緩和に踏み込むべきだといった合意が「政府・日銀で共有される段階にはまだない」と指摘。今会合ではなく12月会合での深掘りを見込む。

5割前後の確率で利下げ織り込み

  一方、国内金融市場では、日銀の政策金利予想を反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が5割前後の確率で利下げを織り込んでいる。

  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、日銀は市場次第で緩和パッケージを正式に発動する心づもりだったと思われるが、思いのほか市場が先取りして織り込んでしまったため、「この環境なら本来やらなくてもよいところが、もはや後には引けなくなっている」とみる。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、マイナス金利深掘りを温存する可能性があるなら、「ここまで思わせぶりな黒田東彦総裁のコミュニケーションは考えづらい」と指摘する。

  見送りなら金融市場の反動を予想する声もある。ナットウエスト・マーケッツ証券の剱崎仁シニアエコノミストは、10月は展望リポート公表月で経済・物価を再点検するのは自明である中、あえて思わせぶりな文言を追加したにもかかわらず追加緩和を見送れば、限界感が市場にまん延し、「想定以上に円高や株安が進む可能性も否定できない」と指摘する。

スティープ化策の行方は

  黒田総裁はたびたび超長期金利の下げ過ぎに警告を発しており、9月の会見では、追加緩和に踏み切る場合は過度の防止策を取る考えを示した。しかし、オックスフォード・エコノミクスの長井滋人在日代表は「10年金利のコントロールもままならない中で、さらなる目標設定やオペの調整で超長期金利低下を防げるのか疑問が残る」と言う。

  元審議委員の須田美矢子氏はインタビューで、マイナス金利深掘りに踏み切るのであれば、短期国債の買い入れと同額の長期国債を売却するツイストオペを行うことで長期金利の過度の低下を防ぐべきだと提言した。

  クレディ・アグリコル証券の森田京平チーフエコノミストは「日銀が本気であれば、超長期ゾーンで日銀が売り手に回ることも考え得る」と指摘。ソニーフィナンシャルホールディングスの菅野雅明チーフエコノミストも「長期・超長期債の買い入れの停止、あるいは売却と同時に短中期債の買い入れ増額を実施することでスティープ化は可能」とみる。

(コメントを追加し更新しました。更新前の記事は第2段落を訂正済みです)
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