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邦銀のCLO投資、リーマン級ストレス生じても頑健性高い-日銀

更新日時
  • 経済・市場急変時の格下げ次第で、価格下落などのリスクに留意必要
  • 金融システムは安定維持、金融機関の収益低下長引けば経済下押し

日本銀行は24日公表した金融システムリポートで、国内の低金利を背景に邦銀の投資が増加しているローン担保証券(CLO)について、リーマンショック級のストレスが発生した場合でも、邦銀が多く保有する最上位AAA格のトランシェは「信用リスクの面での頑健性は相応に高い」との分析結果を示した。

  国内の低金利長期化などを背景に大手金融機関を中心に海外向けの投融資が増加しており、近年は低格付け企業向け融資(レバレッジドローン)を裏付け資産とする証券化商品であるCLOへの投資が高い伸びを示している。

  日銀によると、邦銀のCLO投資残高は足元で邦銀の海外クレジット投資全体の20%を占めており、グローバルな市場残高に対する割合が15%と「相応の水準に達している」とした。その99%が信用格付けが最も高いAAA格への投資となっている。

  分析によると、リーマンショック並みのストレスが発生した場合でも、AAA格のトランシェは「裏付け資産からの利息収入が利払いを上回る状態は維持され、裏付け資産の担保価値もAAA格トランシェ残高を上回る」という結果になった。

  もっとも、リーマンショック時にはAAA格のうち相応の額がAA格に格下げされており、「AAA格でも1割程度の価格下落が発生するほか、AA・A格に格下げされた場合には、2割から3割の価格下落が発生する」と分析。「経済・市場急変時の格下げ等の動向次第では、市場価格下落などのリスクに留意が必要」としている。

  金融システムの現状と展望をまとめた同リポートでは、日本の金融システム全体について「安定性を維持している」との評価を改めて示し、リーマンショック並みのイベント発生に対して「資本と流動性の両面で相応の耐性を備えている」とした。

  もっとも、低金利環境の長期化や金融機関間の競争激化などを背景に、金融機関の収益性は低下を続けており、「こうした状況が長引くと、将来のストレス発生時の損失吸収力低下が想定され、金融仲介機能の低下を通じて実体経済への下押し圧力が強まる可能性がある」としている。

(詳細を追加して更新しました)
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