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欧州債券市場の「英雄」ドラギECB総裁が退任間近、相場に変化か

  • ラガルド次期ECB総裁、景気支援で財政拡大を各国に求める見通し
  • 歳出拡大なら債券供給が増加、記録的な上昇相場を脅かすリスク

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、債券市場にとって英雄とも言える存在だった。だが、ドラギ氏と同様の相場支援を後任のラガルド次期総裁が続けるとは、投資家は考えていない。

  ブルームバーグ・バークレイズの指数によると、8年前にドラギ総裁が就任して以降、ユーロ圏のソブリン債は急伸。ドイツ債は27%、アイルランド債は90%近くものリターンを生み、投資家には「ぬれ手で粟(あわ)」だった。ドラギ氏は就任2日後に利下げを断行、2012年にはユーロ圏を守るためには「何でもやる」という、有名になった言い回しを使った。さらに数兆ユーロ規模の債券購入やマイナス金利の導入、銀行支援策なども打ち出した。

Ireland's Best Friend

Bloomberg Barclays euro aggregate Treasury returns under ECB President Mario Draghi

Source: Bloomberg

  今月末に任期満了となるドラギ総裁にとって24日の政策委員会が最後となり、ラガルド次期総裁はECBの金融政策手段が尽きつつあると見られる中での就任となる。ラガルド氏はECBの金融緩和をこれまで称賛しているが、景気てこ入れの支援に各国政府に財政出動を求める公算が大きい。歳出の大幅増加があるかは疑問だが、国債供給が増加するとの見通しが広がれば、ユーロ圏国債の記録的な上昇を脅かす恐れが生じる。

  運用資産750億ドル(約8兆1500億円)のブランディワイン・グローバル・インベストメント・マネジメントでポートフォリオマネージャー兼ストラクチャードクレジット責任者を務めるトレーシー・チェン氏は、「ECBの金融政策は恐らく、相応の効果がもはや表れなくなる限界点に達しつつある」と指摘。「ラガルド氏はドラギ氏よりも財政政策の活用を支持するだろう。ソブリン債には下落余地がある」と語った。

原題:
Draghi’s Bond-Market Heroics Face Risk of Lagarde Reality Check(抜粋)

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