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Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英政府、「合意なき」EU離脱準備を加速-EUはさらなる延期容認か

更新日時
  • 2回目の国民投票の場合、離脱期限は来年6月に延期も-タイムズ紙
  • 英首相を支持せよ、さもなくば合意なき離脱のリスク-国務相が警告
NATO Secretary General Jens Stoltenberg Visits U.K. PM Boris Johnson
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英国は欧州連合(EU)を合意なきまま10月31日に離脱する準備を加速させている。一方、EUは必要ならジョンソン英首相にさらに時間を与える構えだと報じられた。

  英政府は20日、正式な合意なしで離脱する場合に想定される最悪の結果に関係省庁が備える「オペレーション・イエローハンマー」という危機管理計画を始動させた。

  政府当局者は準備の「最終的かつ最も集中した段階に入った」と述べ、離脱期限の「10月31日まで2週間弱となる中、数百人の公務員が今日から、こうした対応に取り組む」と語った。

  ジョンソン首相がEUと取り決めた離脱協定案の採決を英議会下院が19日に見送ったことから、首相は同日、自らの意思に反し、離脱再延期の申請を余儀なくされ、来年1月31日までの延期をEUに正式に要請した。首相は延期を望まない政府の意向を同時に明確に示し、延期申請の書簡に署名しなかった。

  これを受けアジア時間21日早朝に英ポンドは軟化。ただ、ポンドの軟調は短命に終わる可能性があるとクレディ・アグリコルやナットウエスト・マーケッツのアナリストらはリポートで指摘した。政治的不確実性は残るものの、英の合意なき離脱のリスクは減ると両行は予想した。

  英紙タイムズが20日に匿名の外交関係者を引用して伝えたところによると、英議会が離脱協定案を承認しない場合、EUは3カ月の期限延長を認める用意があり、協定案が批准されれば英国は11月、12月、来年1月のいずれかの月の1日か15日に離脱が可能となる。ジョンソン首相が2回目の国民投票を求めるか、他の障害が生じた場合には、ドイツ率いるEU諸国政府はさらなる期限を延長し、2020年6月に先送りされる可能性があるという。

ゴーブ国務相の警告

  ジョンソン英首相がEUと取り決めた離脱協定案を英議会が否決する場合、英国は合意なしの離脱に陥る可能性があると、英政権のゴーブ国務相が警告した。

  ゴーブ氏は英議会がEUへの離脱延期要請をジョンソン首相に強制することによって、合意なき離脱のリスクを高めたと警告しつつ、離脱協定案に対する議会での必要な支持を首相は十分確保していると自信も表明した。離脱案に関する採決は早ければ今週にも実施される可能性がある。

  合意なき離脱の準備を担当するゴーブ氏はスカイTVに対し、「われわれがこの離脱案を支持しない場合、欧州委員会が離脱延期を認めないというリスクがある」と発言。「それに賭けることはできない。確かなことではない」と述べた。

原題:U.K. Starts ‘No-Deal’ Brexit Preparations as EU Poised to Delay (抜粋)

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