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ボーイングのパイロット、2016年時点で737MAXの安全性を懸念

  • パイロット間のメッセージやり取りは米連邦航空局に報告されず
  • 737MAXの運航再開時期がさらに不透明になる恐れも

2回の墜落事故を起こした米ボーイングの旅客機737MAXを巡る同社の上級パイロット間のやり取りで、失速防止システム(MCAS)と呼ばれるソフトウエアの性能に懸念が示されていたことが明らかになった。このやり取りについて米連邦航空局(FAA)は報告を受けていなかった。737MAXの運航再開を目指す同社とFAAにとって新事実の発覚は最悪のタイミングとなった。

  問題のインスタントメッセージは、737MAXのテストが行われていた2016年後半に交わされた。パイロットの1人は、シミュレーター試験でのMCASの性能について「ひどい」と指摘していた。MCASはその後、346人が死亡した2件の墜落事故を引き起こした原因の一つとされた。

Boeing Corp. 737 Aircraft Production Plant Amid Global Uproar

レントンのボーイング製造施設にある737MAX8

写真家:デビッド・ライダー・システム /ブルームバーグ

  FAAは18日、ボーイングがこのメッセージを数カ月前に発見しながら報告しなかったとして同社を非難した。事情に詳しい関係者によると、ボーイングは、2回目の墜落事故の1カ月前である今年2月にやり取りの記録を米司法省に提出していたが、FAAが同じ刑事捜査の対象であるためFAAには報告しなかったという。

Boeing Co. CEO Dennis Muilenburg Speaks At Economic Club Of New York

デニス・マレンバーグCEO

写真家:ケイト・ディンリー/ブルームバーグ

  ボーイングとFAAの間の亀裂は、737MAXの安全性と米航空行政に対する信頼回復の取り組みを危うくする恐れがある。737MAXの運航再開はたびたび先送りされ、現時点では20年初め以降とみられている。運航再開の遅れでボーイングが強いられたコストは少なくとも84億ドル(約9100億円)に上り、同社のデニス・マレンバーグ最高経営責任者(CEO)は厳しい立場にある。

  18日の米株式市場でボーイングは6.8%安の344ドルで取引を終えた。16年2月以来の大幅安で、ダウ工業株30種平均の構成銘柄で値下がり率1位となった。この日の下げで時価総額は140億ドル減少した。

原題:
Boeing Pilot’s 2016 Worry on ‘Egregious’ Max Roils Jet’s Future(抜粋)

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