コンテンツにスキップする
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英とEUが離脱条件で合意-DUPは不支持、議会承認は不透明

更新日時
  • 新たな離脱案はEU首脳会議で17日に承認された
  • 英議会は19日に離脱案の採決を予定するが、可決されるか予断許さず
A worker adjust a Swedish national flag ahead of an European Union (EU) leaders summit in Brussels, Belgium, on Thursday, Oct. 17, 2019. Negotiators from the U.K. reached an agreement with officials in Brussels Thursday that could pave the way for Britain to finally break its 46-year-old ties to the European Union this month.
Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

英国と欧州連合(EU)は17日、離脱条件の修正で合意に達した。これにより英国が46年間加盟したEUから離れる道筋が整うが、英保守党政権を閣外協力で支えてきた英領北アイルランドのプロテスタント強硬派、民主統一党(DUP)は支持できないとしており、英議会による承認の先行きは不透明だ。

  EU首脳会議は17日、開幕直前のぎりぎりのタイミングでまとまった新たな離脱合意案を承認した。

  修正後の離脱案では、アイルランド国境への物理的壁の設置回避を保証する安全策として、英国全体がEUとの関税同盟にとどまるとした「バックストップ」条項を削除。北アイルランドはEUとの関税同盟から移行期間終了時に英国と共に離脱するが、国境での税関検査の必要を減らすため、農産品と工業製品分野でEUの単一市場ルールに沿った規制にとどまる。

  また、そのような取り決めに同意するか、あるいは同意を撤回するか決める権限を北アイルランド議会に与え、制度継続について4年ごとに判断する。

  DUPの不支持により英議会での可決はかなり厳しい。ジョンソン英首相が10月31日に秩序立った形で離脱を実現させるには、19日に予定される下院の採決で新たな離脱案が承認される必要がある。

19日の議会の流れ。時間は全てロンドン時間

  • 午前9時30分に開会
  • 午前11時ごろまでジョンソン首相が演説、その後審議・採決
  • 午後2時30分ごろに手続きが完了の見込み

  DUPのフォスター党首らは17日、「現状のままでは、税関と同意を巡る問題に関して提案されている内容を支持できなそうになく、VATについても明確さに欠ける」との声明をツイッターを通じて発表した。

  DUPの党関係者3人は、同党が合意案を支持しないと述べた。アイリッシュ海で隔てられた北アイルランドと英国本土との間で税関検査が行われることなどに不満を表明した。ジョンソン首相は7月の就任以降、一連の重要な採決で敗北が続き、与党保守党は下院で過半数の議席を持たない。

  EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長と共に会見したジョンソン首相は「双方がこなした大量の作業を反映する妥当かつ公平な成果」だと合意を評価し、10月31日に英国が「全体として完全に」EUを離脱すると強調した。

  ユンケル委員長も離脱の再延期は必要ないとの認識を明らかにした。

  DUPから支持が得られない場合、ジョンソン首相は説得に応じる可能性がありそうな75人前後の議員に働き掛け、61人以上から支持を取り付けなければならない。首相はブリュッセルで記者団に対し、可決への自信を示した。議会による承認は、英EU離脱というジョンソン氏の野望を阻む最後のハードルだ。

  メイ前首相の離脱案に反対した保守党議員のうち、今回の離脱条件で賛成に回りつつある兆しを見せる議員もいる。しかしDUPのサミー・ウィルソン氏は18日、BBCに対し、こうした議員らにはDUPと行動を共にするよう強く求めると述べた。

  採決を乗り切れば、EU離脱が国民投票で選択されて以降3年余りにわたる政治的混乱に終止符を打つことができる。だが議会が否決すれば、離脱延期法の規定により延期の申請をジョンソン首相は義務付けられる。

  離脱の再延期を断固拒否する首相が「合意なき離脱」を強行しようとすれば訴訟となる可能性が高く、総選挙ないし再国民投票で有権者の判断を仰ぐ必要が出てくるだろう。

Last Chance for Brexit Deal At EU Leaders Summit

握手を交わすジョンソン英首相(左)とユンケル欧州委員会委員長(右)(ブリュッセル、17日)

  英とEUとの合意の主なポイントは次の通り。

  • 広範囲にわたる自由貿易協定(FTA)の締結
  • 世界貿易機関(WTO)水準を超えるサービス合意
  • 金融サービス会社の「同等性評価」での合意
  • 資本の自由な移動の容認
  • 短期の「ビザなし渡航」制度の確立
  • 国家補助と競争、福祉、税、環境問題で共通の高度な基準を伴う公平な条件確保にコミット

原題:After Brussels Win, Johnson Returns to His Biggest Battle of All(抜粋)EU and U.K. Reach Agreement on Brexit But the DUP Still Says No
EU and U.K. Reach Agreement on Brexit But the DUP Still Says No
EU and U.K. Reach a Brexit Deal, But It Quickly Hits a Snag
Johnson Sells Brexit Deal to Parliament Before Knife-Edge Vote

(19日の予定と議会採決見通しの詳細について加えます)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE