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10月全国CPI0.4%上昇、増税・無償化除くと17年3月来の低水準

更新日時
  • 消費増税が0.77ポイント押し上げ、教育無償化0.57ポイント押し下げ
  • 増税など特殊要因除けば基調おおむね横ばい-三菱モルガンの戸内氏
A customer holds cleaning products while shopping at a drug store in the Nakano district of Tokyo Japan.

A customer holds cleaning products while shopping at a drug store in the Nakano district of Tokyo Japan.

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg
A customer holds cleaning products while shopping at a drug store in the Nakano district of Tokyo Japan.
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

総務省が22日発表した10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.4%上昇と前月の伸びを上回った。市場予想と同じだった。消費増税と教育無償化の影響を除くと0.2%上昇と前月から伸びは鈍化し、2017年3月以来の低水準。エネルギーと携帯電話関連が押し下げ要因となった。上昇は34カ月連続。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.4%上昇(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.4%上昇)ー前月は0.3%上昇
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.7%上昇(予想は0.6%上昇)ー前月は0.5%上昇
  • 総合CPIは0.2%上昇(予想は0.3%上昇)-前月は0.2%上昇

      

消費増税・教育無償化除くと伸び鈍化

総務省の説明

  • 1日からの消費増税がすべて転嫁されたと仮定した場合:
    • 10月のコアCPIへの寄与度は、消費増税・教育無償化分が0.20ポイント、それ以外が0.17ポイント
    • 10月コアCPIを消費増税が0.77ポイント押し上げ、教育無償化が0.57ポイント押し下げ
  • 消費者物価はエネルギー価格の下落で上昇に鈍化見られるが、緩やかな上昇が続いているとの見方に変わりはない
  • 主な消費者物価の押し下げ要因は、エネルギーと携帯電話関連。電気代は17年3月以来の前年比マイナス
  • 物価押し上げに最も寄与したのは焼肉、回転寿司、ビールなどの外食を中心とした食料。生鮮食品は前年上昇の反動でマイナス寄与
  • コアCPI構成品目のうち上昇は391品目。消費税率引き上げで前月の297品目から増加。下落は111品目

エコノミストの見方

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の戸内修自シニア・マーケットエコノミスト

  • 消費増税などさまざまな特殊要因を除いて考えれば基調はおおむね横ばい。強まっている兆しはない
  • 企業は消費増税後の需要を見つつ、慎重に価格設定の判断をしている
  • コアの物価指数はエネルギー価格要因で年末にかけてでもう少し下がるとみている
  • ゼロ近辺の物価は日銀にとっては厳しい数字。ただコアコアなどを見ると悪化しているわけではなく、日銀としては物価のモメンタムは維持されているとの見方は変えないだろう

ソニーフィナンシャルホールディングスの菅野雅明チーフエコノミスト:

  • 前回の消費増税時に比べて価格転嫁の動きが限定的で、さらに幼児教育の無償化の影響もあって物価への影響は限られている
  • 結果として消費の反動減というのは少ないかもしれないが、物価面ではあまり上がってないということ
  • 今回の統計で何か新しいことが分かったわけではなく、むしろ確認されたということだと思う
  • いまだに日本銀行はモメンタムが損なわれてないということで需給ギャップがプラスな限りはいずれ2%に行くと言っているが、多分信じている人はもう誰もいない

野村証券の美和卓チーフエコノミスト:

  • 増税前まで耐久財は駆け込みを当て込んだ強気の価格設定が続いて物価押し上げ方向に寄与していたが、増税後に反動減が出てきて一転して家電量販店中心に耐久財を扱う小売業者が値下げして需要喚起する行動に転換する可能性が高く、10月にそれが散見される
  • 小売業者の価格戦略が依然として弱気。今後全体として物価の加速感が出にくい状況が続く
  • コアが低迷して2%から乖離(かいり)した状況が続けば、自ずと追加緩和への期待が高まりやすいが、現実に日銀が足元の物価動向が弱いことを理由に緩和に動くかというと、答えはノー

背景

  • 前月発表された東京都区部の10月消費者物価では、消費増税と教育無償化が合わせて総合とコアで0.17ポイント、コアコアで0.16ポイントそれぞれ押し上げに寄与
  • エネルギー価格下落の影響がコアCPIの下押し要因として働き続ける構図は変わらず
  • 日銀は前月公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、コアCPI見通しを19年度0.7%上昇、20年度1.1%上昇、21年度1.5%上昇にいずれも下方修正
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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