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Photographer: Cole Wilson/The New York Times via Redux

WeWorkの資金調達でバンカーと投資家奔走、来月にも資金枯渇か

  • ウィーワークの既発債は15日に記録的な安値に急落
  • JPモルガンのバンカー、高リスクの起債案件を100の投資家と協議
Members of WeWork sit at one of the company’s spaces in New York.
Photographer: Cole Wilson/The New York Times via Redux

シェアオフィス事業を運営する米ウィーワークの待望の新規株式公開(IPO)を狙って2カ月前にしのぎを削っていたバンカーや投資家が今、同社を存続させるために奔走している。

  ウィーワークの資金が来月にも枯渇する前に、同社とその支持者らは2つの救済プランの準備を急いでいる。1つは筆頭株主ソフトバンクグループによるプランで、もう1つは米銀JPモルガン・チェースのプランだ。同行はIPO計画の主幹事を獲得していたが、計画撤回で手数料含め期待していたものを得られなかった。

  事情に詳しい関係者1人によると、JPモルガンは異例に高リスクの50億ドル(約5440億円)のデットファイナンスパッケージに関する提案を約100の投資家に打診している。この案はウィーワークが優先する選択肢だが、同社の債務返済能力に懐疑的な意見も複数示されている。同案の目の飛び出るような条件が報じられ、同社の既発債は15日に過去最安値を付けた。

  一方でバックアップの選択肢をまとめようとしているソフトバンクGは、ウィーワークに資本注入して経営権を取得する意向だが、ウィーワークの経営陣は同プランを避けたい考え。ソフトバンクGはウィーワークの資金繰り難を緩和する選択肢を模索するため、投資銀行フーリハン・ローキーを起用したと事情を知る複数の関係者は明らかにした。

  両案に共通するのは多くの不確実性を伴うという点だ。ボンド・アングルのビッキ・ブライアン最高経営責任者(CEO)は15日のリポートで「ウィーワークのクレジット指標は依然としてとてつもなくひどい」と指摘した。

  JPモルガンのプランでは、近年で最もリスクの高い部類に入るジャンク債で50億ドルを調達する。そのうち20億ドルは現物支払有価証券(PIK債)で、利率は15%に上る可能性がある。同行はこの種の案件としては異例に広範囲に売り込んでおり、世界最大級の資産運用会社の一部やディストレスト投資に熟達したクレジット・ヘッジファンドなどにも打診していると複数の関係者は話した。

PIK債

  PIK債は利息を現金ではなく債券の形で支払う選択肢を発行体に与える。PIK債は従来、経営難のエネルギー企業や破産状態から脱する企業に好まれた資金調達手段。

  ウィーワークのPIK債の条件は引き続き検討中だが、利息は現金部分で5%、債券で10%となる可能性がある。これは10%のPIKオプションのある20億ドルの債務が3年後には約27億ドル、5年後には約32億ドルに膨らむことを意味する。

  新しい債務パッケージで提案された利率は、ウィーワークが昨年実施した初の起債の条件のほぼ2倍。資金繰り悪化に歯止めをかけて早期に黒字化できるか投資家が疑問視していることを浮き彫りにしている。

原題:
WeWork’s Mad Dash for Cash Rages as JPMorgan Peddles Risky Debt(抜粋)

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