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トランプ大統領の対トルコ経済制裁は不十分、与野党議員が批判

  • 制裁の構えが抑止力になるとの国務・財務両長官の意向反映-関係者
  • トルコのシリア侵攻が続く中、米議会は厳しい制裁を要求

トランプ米大統領はシリア北部への軍事作戦を開始したトルコに「大きな制裁」を発動すると表明したかもしれないが、米政府が14日遅くに打ち出した制裁は、米国の与野党議員が要求したよりも控えめな内容にとどまった。

  事情に詳しい関係者によると、今回の決定は慎重なアプローチから生まれた。制裁の構えを見せれば、実際に発動する前でも悪い行動を抑止できるケースが多いというポンペオ国務長官とムニューシン財務長官の考えが反映されていると関係者の1人は述べた。

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10月14日、国境近くの村を通過するトルコ軍

フォトグラファー:Aaref Watad / AFP via Getty Images

  制裁発動のニュースでもトルコ・リラは少なくとも最初はほとんど動かなかった。トランプ大統領は停戦を要求するためペンス副大統領をトルコに派遣することを決めたが、これは過激派組織「イスラム国」(IS)掃討で米軍を支援してきたクルド人勢力が保有する土地を接収するためにトルコのエルドアン大統領がシリアに侵攻して得た領土を確定することにつながる。

  米財務省で制裁業務に携わった経歴を持つブライアン・オトゥール氏は今回の制裁について、「壊滅的な影響はほとんどなかった。エルドアン大統領はトランプ大統領の空威張りだと呼んだ」と指摘した。

  トランプ大統領が先週、米軍の撤収を発表し、米国はエルドアン大統領の邪魔をしないと表明したのは議員や外交官の意表を突くもので、その後、民主・共和両党から非難が相次ぎ、制裁発表後もそうした声はほとんど衰えていない。

  ペロシ下院議長は14日夜の声明で、トランプ大統領が「シリアの混乱と不安のエスカレート」を招いたと非難。米下院外交委員会のマッコール筆頭理事(共和、テキサス州)の広報担当者は声明で、「政権の計画した制裁を評価するが、シリアでひどい攻撃を行うトルコを制裁するには不十分だ」と指摘した。

  トランプ大統領は14日の声明で、トルコ製鉄鋼への関税を50%に引き上げるとともに、貿易協定を巡る交渉を停止すると発表。ムニューシン財務長官はトルコの国防相、エネルギー相、内相を制裁対象としたことを明らかにした。

原題:
Trump Restraint on Turkey Sanctions Leaves Congress Wanting More(抜粋)

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