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米中貿易協議の部分合意、両国の悪化する成長見通しは変わらず

  • 米国が12月に計画の新たな対中関税、発動の可能性残されたまま
  • トランプ氏が「わが国史上」最大と呼ぶ合意、文書署名に至らず

米国と中国が包括的な通商合意の可能性を持続させるために達した部分的な合意によって、両国の悪化する成長見通しが変わることはほとんどなかった。エコノミストが信用しない「握手」で結ばれた合意だったためだ。

  中国は11日、米国産農産品の年間購入額を現在の倍余りの最大500億ドル(約5兆4200億円)に拡大することで合意した。だがこれは米国内総生産(GDP)の大きな押し上げ要因というよりも、2020年米大統領選でトランプ大統領再選の鍵となる農村部の選挙区に対する政治的な景気づけと言えるだろう。

President Trump Meets Chinese Vice Premier Liu He At The White House

中国の劉鶴副首相と握手するトランプ大統領(ワシントン、10月11日)

Donald Trump shakes hands with Liu He in Washington, D.C. on Oct. 11.

  トランプ氏は13日夜、中国が既に農産品の購入を開始したとツイートした。

  この見返りに中国政府は、今週予定されていた対中関税率の一部引き上げを先送りするよう米国を説得した。ただ、米国が12月15日に発動を計画している残り全ての中国製品に対する輸入関税という、トランプ氏の最大の経済的脅威であり、今後の見通しへの最も深刻な懸念材料は残されたままだ。

  ムニューシン米財務長官は13日、「われわれにはやるべき多くの仕事があるが、双方が非常に一生懸命に取り組むと確信するとともに、これを成立させると予想している」とABCニュースの番組「ジス・ウィーク・ウィズ・ジョージ・ステファノプロス」で語った。

  投資家はもっと慎重だ。米国株は先週に貿易を巡る緊張の緩和を受けて上昇したものの、11日午後に合意の実体が明らかになると、上げ幅を縮小した。トランプ氏が「わが国史上」最大と呼ぶ今回の合意には、事実上1年余り議論されていたにもかかわらず、まだ文書の署名には至っていないという、大きな欠陥があったためだ。

  モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ゼザス、 メレディス・ピケットの両氏は11日、「既存の関税率の引き下げに向けた実現可能な道はまだない。関税のエスカレーションは依然として大きなリスクだ」と指摘。「そのため、企業活動が大幅に回復し、世界の成長見通しを押し上げるとはまだ予想していない」との見方を示した。

U.S. Agriculture Trade with China

Source: USDA GATS

原題:Trump’s China Handshake Lifts Spirits But Not Sober Outlook (1)(抜粋)

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