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ノーベル賞受賞の吉野氏「環境問題の解に」、EV普及で再エネ加速へ

  • リチウムイオン電池の次の使命は太陽光や風力などの電力供給の拡大
  • EV向け電池をリサイクルできるかが課題、自動車業界が音頭を

「リチウムイオン電池の次のミッションは環境問題に対して何らかの答えを出すこと」。携帯電話やパソコンなどに使用される同電池の発明でノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰氏は9日夜、ブルームバーグとのインタビューで受賞の決め手をこう分析した。 

  吉野氏はリチウムイオン電池は電気をためることが一番の機能だとして、同電池が搭載された電気自動車(EV)の普及に伴い、蓄電システムが自動的に構築されると指摘。気象条件によって発電量が大きく変化する太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる安定的な電力供給の拡大を、EV普及と「セットで行うべきだ」との考えを示した。 

Japanese Scientist Akira Yoshino Shares Nobel Prize In Chemistry

報道陣に囲まれる吉野氏

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Getty Images

  「リチウムイオン電池は携帯電話やスマートフォン、モバイルIT(情報技術)と共に成長し、モバイルIT社会を実現させて世界を変えた」とこれまでの意義を説明。一方、大半がモバイル機器向けだったリチウムイオン電池の用途は、2017年にEVなど自動車向けが初めて上回っており、今後も需要の伸びが見込まれている。

  課題の一つとしては、リチウムイオン電池のリサイクルを挙げた。同電池の正極材にはニッケルなどの希少資源が欠かせない。吉野氏はニッケルについてリサイクルをしなければ安定確保は危うくなるとみる。リサイクルにはコストもかかるが、「日本中の廃電池を全部集めて処理すれば必ず採算は採れる」と指摘。「自動車業界が音頭を取らないと進まないが、実現は意外に早いと思う」との認識を示した。 

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