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ジョンソン氏、合意なき離脱準備か-EU、アイルランドと溝深く

更新日時
  • 北アイルランドはEUとの関税同盟にとどまる必要あるとドイツ首相
  • 国境の物理的壁を回避する当初の約束を守らせるとアイルランド

ジョンソン英首相が欧州連合(EU)に示した離脱に関する「最終提案」を巡る協議は決裂の瀬戸際にあり、英政府は10月31日の「合意なき離脱」の準備に一段と力を注いでいるようだ。アイルランド国境へのハードボーダー(物理的壁)設置回避に向け、首相は従来の「バックストップ条項」に代わる提案を行ったが、EU側は受け入れに難色を示し、立場を変えない相手を相互に非難する手詰まり状態に陥った。

  ジョンソン首相はドイツのメルケル首相との8日午前の電話会談に続き、アイルランドのバラッカー首相とも電話で協議した。英当局者によると、英領北アイルランドがEUとの関税同盟にとどまる必要があるとメルケル氏が主張したのに対し、英政府の新たな提案に前向きに応じようとしないEU側がこのような要求を行えば、合意は「基本的に不可能」になるとジョンソン氏は答えたという。

  10日か11日に予定されるジョンソン首相とアイルランドのバラッカー首相との首脳会談に合意の期待がかかるが、政治的な譲歩の余地はどちらもなさそうだ。EUのトゥスク大統領(常任議長)は「重要なことは愚かな非難合戦に勝つことではない。欧州と英国の将来、そして人々の安全と利益だ。あなたは合意も望まず、延期も望まず、撤回も望まず、どこに行くのか」とツイッターでジョンソン氏を批判した。

  7日の英誌スペクテーターは、EUとの離脱協議の現状をかなり明確に反映すると思われる英首相官邸の当局者1人からのテキストメッセージ全文を掲載した。それによれば、ジョンソン政権は、EUとの離脱協議決裂に備えており、アイルランドとEU首脳に責任があると主張する構えだ。

  英離脱延期法の規定では、19日までに新たな合意がまとまり議会が承認するか、合意なき離脱への議会の同意が得られない限り、EUへの離脱延期申請が英政府に義務付けられる。スペクテーター誌によると、英議会が同法を成立させた結果、アイルランドのバラッカー首相は国境問題で譲歩しないと決意し、(関税同盟に)北アイルランドを残さない限り、英国はEUを離脱できないという方針の堅持をバルニエ首席交渉官に働き掛けていると首相官邸の当局者は指摘した。

  アイルランドのコーブニー外相は、同誌に提供されたブリーフィングについて、離脱協議でバラッカー首相を動かすために圧力をかける意図があるのではないかと話した。

  ジョンソン首相は、北アイルランドがEUとの関税同盟から移行期間終了時に英国と共に離脱し、農産品と工業製品分野でEUの単一市場ルールに沿った規制にとどまるかどうかについて、北アイルランド議会に拒否権与える代案を提示した。

Varadkar Dangles Trade Carrot as U.K. Weighs Softer Brexit

アイルランドのバラッカー首相

  バラッカー首相はアイルランドの公共放送RTEとの8日のインタビューで、英首相の提案には問題が残ると述べ、英EU離脱の行き詰まりを打開する合意が来週成立すると考えるのは難しいとの認識を明らかにした。

  バラッカー氏は、自分に関する英政府の説明が批判的になっている部分があると認める一方、「私は汚い手は使っていない」と発言。アイルランド国境のハードボーダー復活を回避するという当初の約束を英政府に守らせると言明した。

原題:Brexit Talks Go On Hold as Leaders Focus on Pinning Blame
Johnson and Varadkar to Meet as Deal Chances Fade: Brexit Update

Boris Johnson Preparing for Brexit Talks to Collapse: Spectator
Irish PM Says ‘Very Difficult’ to Seal Brexit Deal Next Week(抜粋)

(EU大統領のツイートなどを追加して更新します.)
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