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日産、内田誠専務をCEOとする3頭体制を発表-株価は小幅反落

更新日時
  • 神学部卒で商社出身、アライアンス重視でルノーからも支持-内田氏
  • 関専務を副COOに、大幅若返りの3頭体制で低迷する業績再建急ぐ

日産自動車は8日、次期代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)に内田誠専務執行役員(53)を昇格させる人事を発表した。同社株は9日、小幅安で取引を開始した。

  代表執行役兼最高執行責任者(COO)に三菱自動車のCOOを務めるアシュワニ・グプタ氏(49)が、執行役副COOには関潤専務執行役員(58)をそれぞれ昇格させ、人心を一新して業績の改善に取り組む。就任は遅くとも来年1月1日付になるという。

  日産は同日に取締役会を開き、株価連動型報酬(SAR)を上乗せして受け取っていた問題で先月辞任した西川広人前社長兼CEOの後継者候補について議論。内田、グプタ、関の3氏はその有力候補として名前が挙がっていた。3氏の就任までは山内康裕氏が暫定CEOを務めるという。西川氏は65歳、山内氏は63歳で大幅な若返りとなる。

Nissan Bets on New Skyline Model to Heal Brand Image After Ghosn

日産の新型「スカイライン」

Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは今回の人事について、「全くサプライズはない」と指摘。「今の日産はスピード感をもってさまざまなことやらないといけないので、CEOのために半年も一年も待ってられない中、想定内に落ち着いた」と話した。日産の9日の株価は一時前日比1.4%安の651.4円と小幅に反落した。

  内田氏は1991年に同志社大学神学部を卒業後、日商岩井(現双日)を経て、2003年に日産に入社。16年からアライアンス購買担当の常務執行役員を務めた。18年からは中国合弁会社、東風汽車有限公司の総裁を務めており、筆頭株主のフランス、ルノー側からも同氏を支持する声があるという。

  同日夜に横浜市内の本社で会見した豊田正和社外取締役(指名委員長)は、内田氏を昇格させた理由について、幼少期からの海外居住経験や日商岩井時代からの多彩な経歴、ルノーとのアライアンス重視の姿勢や経営の課題としてスピードを重視していることなどを挙げ、取締役全員の意見が一致したと述べた。

  木村康取締役会議長は、「新たなリーダーシップによる新体制のもと、早期の業績回復と日産の再建に全社一丸となって取り組んでいただきたい」と話した。さらに集団指導体制とした理由として「お互い切磋琢磨し、支えながらいくのが非常に透明性もあって公平な判断ができる」ためと述べた。

ルノー会長も支持

  グプタ氏は日産、ルノーとの3社連合体制の支持者と目されており、ルノー会長で日産取締役でもあるジャンドミニク・スナール氏もグプタ氏を推しているとされる。同氏はインド出身で、96年にホンダに入社し日本やインドで勤務した。その後2009年に、日産とルノーの統括会社「ルノー日産BV」に入社。ことし4月に三菱自のCOOに就任していた。

  関氏は1986年に入社。パワートレイン技術統括部の主管や東風汽車の総裁を歴任した。防衛大学校出身という異色の経歴から、一部の関係者からは日本側の意向を重視する人物と受け止められており、西川氏との関係も近いとされている。

  日産は新CEOについて10月末までに決めるとしていたが、木村議長によると取締役間ではなるべく早いほうがいいという点で一致していたといい、議論がスムーズに進んだため数週間早いタイミングで発表に至ることができたと話した。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、内田氏もグプタ氏も外部から日産に来た人材であることから「二人ともバランス感覚が良いのではないか。そういうところが今後のアライアンス強化にもつながると考えた人事だったのでは」との見方を示した。

  カルロス・ゴーン元会長が昨年11月に金融商品取引法違反容疑で逮捕されて以降、日産の業績は米国事業の不振などで低迷。同社が7月に発表した4-6月期の営業利益は前年同期比99%減の16億円と市場予想を大幅に下回り、2022年度までに1万2500人規模の人員削減を実施する方針を明らかにしていた。

(アナリストのコメントと株価を追加して記事を更新します)
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