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Photographer: Veejay Villafranca/Bloomberg

世界最悪の渋滞に挑む元銀行員-二輪車アプリで市民の時間を取り戻せ

  • 「アンカス」はフィリピンで人気の相乗りアプリ-創業は2016年
  • フィリピンの運輸法改正に向け官民からの支持を得ると実績と自負
Commuters hang from the back of a jeepney traveling along a road in Manila, the Philippines, on Saturday, April 8, 2017. Smoke-belching jeepneys are as iconic to Manila as the cable cars of San Francisco, the gondolas on Venice's canals and the black cabs in London. The most popular public transport in the Philippines is now being targeted for the scrap heap as President Rodrigo Duterte tries to modernize the nation and clean up its air.
Photographer: Veejay Villafranca/Bloomberg

元銀行員のシンガポール人が手掛けた二輪車アプリが、東南アジアの配車サービス大手グラブのライバルとして頭角を現しつつある。世界で交通渋滞が最も激しいマニラで市民の移動を助ける有益なサービスかどうか、今まさに試されている。

  アンジェリン・タム氏の「アンカス」はわずか3年で、フィリピンで人気の相乗りサービスアプリとなった。ダウンロード数は300万に達し、登録運転手は2万7000人だ。アプリ名はフィリピン語で「ヒッチハイク」を意味するが、2回にわたるサービス停止の憂き目にも遭った。公共交通に二輪車の利用を禁止する50年前に制定された法律が理由で、この禁止措置は路上での安全強化が狙いだ。

  創業者で最高経営責任者(CEO)のタム氏(37)は今、暫定的なライセンスでこのサービスを運営しているが、当局が12月に禁止措置を検証する際、正式認可を得ることを望んでいる。

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アンジェリン・タム氏

  世界最悪の交通渋滞を身をもって経験したタム氏は2016年にアンカスを創業。二輪車が時代遅れだという考え方には反対だ。ここ数カ月で安全性を高める措置も幾つか実施。無料の運転講習を提供するトレーニングセンターを2カ所設け、適切なヘルメット着用を促すキャンペーンも行った。

  元JPモルガン・チェースのアソシエートでソフトバンクグループのベンチャーキャピタルファンドで副社長をしていた経歴もあるタム氏はインタビューで、「99.997%という安全性を維持することができている」と説明。「コンドームよりも安全だ」と話す。

  アンカスが挑むグラブには、ソフトバンクグループトヨタ自動車が出資するが、アンカスは1回50フィリピン・ペソ(約103円)から利用でき市民により迅速な通勤・通学を提供するとうたう。アンカスがサービス停止となった際、利用者から激しい抗議が寄せられたことから、当局は6月、半年間という試験期間を設け運営を認めた。

  当局がアンカスを正式に認可した場合、グラブへの挑戦を狙うインドネシアのゴジェックなど、あまたの企業に市場参入への扉が開かれる可能性がある。

  タム氏は8月、宣伝プロモーションでアンカスのサービスをセックスになぞらえたことから非難された。だが、フィリピンの運輸法改正に向け官民からの支持を得る上で十分な実績を上げているとの自負が同氏にはある。

  交通渋滞に悩む東南アジア各地の都市のための多種多様なソリューションに投資しようとしている域内のベンチャーキャピタルから強い関心が得ていることを踏まえながら、タム氏はサービスを展開する都市を増やすことも可能だと語る。

  「人々に時間とパワーを取り戻すことがゴール」だと言うタム氏によれば、「私たちの生活はあまりにも多くが交通の問題に縛られている」。

原題:Ex-Banker Tackling World’s Worst Traffic With Motorbike App (抜粋)

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