香港、緊急権限発動し集会でのマスク着用禁止へ-地元メディア
Iain Marlow-
行政会議が4日の特別会合後に覆面禁止法の制定発表とTVB
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緊急権限発動は香港政府による対応の大幅強化を示す
香港は公共の場での集会でフェースマスクの着用を禁止するため、約半世紀ぶりに「緊急状況規則条例」を発動する。英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)や放送局TVBなど香港メディアが報じた。
TVBによれば、香港行政会議は4日の特別会合開催後、緊急条例の発動を通じた覆面禁止法の制定を発表する。関係者が述べたとしているが、関係者名の明示はない。

中環での抗議活動(10月1日)
英植民地時代の1922年に制定された緊急条例が前回行使されたのは1967年。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官のオフィスに3日午後、報道についてコメントを得るため電話したが、報道官は現時点でコメントできなかった。
緊急条例が発動されれば、約4カ月にわたる混乱の収拾に向け苦しんできた香港政府による対応の大幅強化を示すことになる。
抗議活動のリーダーらが戒厳令の一形態だと以前から批判していたこの条例は、一般人の逮捕や出版物の検閲、通信ネットワークの遮断、令状なしでの家宅捜索などで政府の裁量を高めることが可能。
同条例はまた「緊急あるいは公共に危害が及ぶ状況」を終わらせることに寄与すると政府が考えるいかなる規制も、新たに実施することを当局に認めている。
立法会(議会)で政府に批判的な立場の楊岳橋議員は「いったん緊急条例が発動されれば、林鄭長官に白紙の小切手が手渡されることになる」と指摘。「論理的に考えれば、事態をエスカレートさせるだけだ。事態がエスカレートすれば緊急条例の権限をすでに得ている長官は、何らかの別の手だてを導入しようとするだろう。それが何かはわれわれには分からない」と述べた。
民主主義支持を訴える抗議活動を取り締まるため条例を活用すれば、香港政府に対する国際的な非難をあらためて高めるリスクがある。米議会は緊急権限の宣言は事態収拾の「誤った方法」だと指摘し、英国と国連もまた香港警察の強圧的な対応を批判している。
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原題:Hong Kong to Enact Rare Emergency Rule for Mask Ban, Reports Say(抜粋)