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米国、対EU報復関税を18日発動-エアバス「米雇用にも悪影響」

更新日時
  • 通商担当欧州委員:EUは来年のWTO判断後に報復行う
  • 航空機に10%、その他の輸入品に25%の追加関税
President Trump Makes Announcement On EU Trade
Photographer: Kevin Dietsch/UPI
President Trump Makes Announcement On EU Trade
Photographer: Kevin Dietsch/UPI

米国は2日、対欧州連合(EU)報復関税の最終リストを発表した。世界貿易機関(WTO)はこの日、EUによるエアバスへの不当な補助金への対抗措置として米国が年間で最大75億ドル(約8000 億円)相当のEU産品に報復関税を課すことを認めていた。

  承認された報復関税の規模はWTO史上最大。

  米通商代表部(USTR)の発表によれば、フランス、ドイツ、スペイン、英国からの大型民間航空機に10%を上乗せするほか、ワインやアイリッシュウイスキー、スコッチウイスキー、オリーブ、チーズ、特定の豚肉製品、バター、ヨーグルトなどの他の輸入品に25%の追加関税を課す。

  ただ暫定リストにあった皮革製品は除外され、ジバンシイやLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンなど高級ブランドは影響を免れた。ルイヴィトンやレミーコアントロー、ペルノ・リカール、ディアジオのワイン・蒸留酒は対象とされた。

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  USTRによると、米政府はWTOに対し、関税の正式承認のため今月14日の会合開催を要請。関税は18日に発動される見込み。

  米通商当局の高官は2日の記者説明会で、トランプ政権が報復関税を導入するのは、交渉を通じて合意に達するようEUを説得するためだと述べた。

報復

  ライトハイザーUSTR代表は声明で、「提訴から15年たってついにWTOは米国がEUの不当な補助金に対し対抗措置を取ることができると認めた」とした上で、「米国の勤労者に恩恵を与える形での問題解決を目指し、EUと交渉に入ることをわれわれは期待している」と述べた。

 

President Trump Makes Announcement On EU Trade

ライトハイザーUSTR代表(右)とトランプ大統領

Photographer: Kevin Dietsch/Pool via Bloomberg

 一方、EUの行政執行機関、欧州委員会のマルムストローム委員(通商担当)は、エアバスに関連して関税が導入されれば米国のボーイング補助金を巡るWTO判断が来年初めに下された時に報復を行うと、米国の報復関税リスト発表に先立ちコメントした。

  ただ同委員は、互いに対抗措置を講じれば米欧の企業や市民ばかりか、難しい時期にある世界貿易と航空業界にも打撃を与えるだろうと述べ、EUは「それぞれの航空業界のための公正でバランスの取れた解決策」に向け米国と取り組む用意があるとも語った。

「不安と混乱」

  エアバスのギョーム・フォーリ最高経営責任者(CEO)はWTOが米国の対EU報復関税を認める判断を下した後、報復関税が発動すれば「米航空会社だけでなく、米国の雇用やサプライヤー、航空旅客にも悪影響を及ぼす」と発言。幅広い航空産業全体に「不安と混乱」をもたらすだろうと指摘した。

  航空機への追加関税率は農産品などよりも低いものの、航空機は表示価格ベースで最低でも1億ドル程度するため、航空業界は関税引き上げに脆弱(ぜいじゃく)だ。ジュフリーズのアナリスト、サンディ・モリス氏(ロンドン在勤)は、「ワインに10%上乗せしてもボルドーワインの愛好家は購入をためらわないだろうが、エアバスの航空機の場合は納入を保留する可能性がある」と述べた。

  エアバスによれば、同社の航空機は平均して部品の約40%を米国から調達しており、同社は過去3年間に総額500億ドルを支出し、40州の計27万5000人の雇用を支えてきた。さらに今後10年間で支出額の倍増を目指している。

  同社はさらに2016年以降、アラバマ州モビールの工場の最終組み立てラインからA320を納入しており、今年8月にはA220も加わった。 

原題:U.S. to Put Tariffs on Europe Planes, Whiskies After WTO Ruling
   Airbus Says Trump Tariffs After WTO Ruling Will Cost U.S. Jobs (抜粋)

(欧州委員やエアバスCEOのコメントなどを追加して更新します.)
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