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ベンチャーキャピタリスト困惑、託した投資の分配金受け取れず

  • カシェット・キャピタルは昨年6月、ハーグでパーティーを開催
  • パーティーでは主催者側が10億ドルを分配する計画だった
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オランダのハーグで昨年6月、ファンド・オブ・ファンズ、カシェット・キャピタルのパーティーが行われた。同社からの分配金10億ドル(約1080億円)を受け取るため会場のホテルに集まった50人ほどの参加者が待っていたのはエリー・カシェット氏だ。

  彼女に資金を託した多くのベンチャーキャピタリストに加え、カシェット氏(34)について詳しく知りたいと考えたニューヨークやロンドンから駆け付けた投資家もいた。また出席者らは元ヘッジファンドマネジャーで有名なベンチャーキャピタリストであり、カシェット・キャピタルに投資しているハワード・モーガン氏(73)ら、カシェット氏の支援者に実際に会うことを願っていた。

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エリー・カシェット氏

 

  だがその場で告げられたのは驚くべきことだった。ある見込み投資家との抜けられない会合でカシェット氏は来られないというのだ。カシェット・キャピタルのスタッフさえも当惑した。謝罪した同社の投資責任者ブロディ・ジャクソン氏によれば、参加者は分配金の一部を再投資することを楽しみにしていた。

  カシェット・キャピタルはさまざまなファンドに1億ドル余りをコミットしているとカシェット氏がそれまでに公に話していたものの、資金を受け取った者はほとんどいなかった。パーティー会場にいた4人は、すでに訴訟沙汰になっている状況に巻きまれたくないとして匿名を条件に、同社の投資家が本当は誰なのか知っている者は誰もいなかったように見えたと語った。

  関係者によると、カシェット・キャピタルの資金を受け取る契約した10余りのベンチャーファンドのうち、モーガン氏がカシェット氏の支援者かつアドバイザーで、メンターと見られることを理由に契約を決めたファンドも多い。こうしたファンドはデューデリジェンス(資産査定)を真剣に行ったが、モーガン氏の存在が質を裏付ける決め手になったという。

How ard Morgan

ハワード・モーガン氏

 

  モーガン氏が創業したファースト・ラウンド・キャピタルは配車アプリの米ウーバー・テクノロジーズに最初に投資した1社で、同社への投資で多額の利益を得た。2017年にファースト・ラウンドから退いたモーガン氏はコメント要請に応じていない。

  非公開情報だとして匿名を条件に語った関係者によれば、少なくともベンチャーキャピタルファンド14本がカシェット・キャピタルから数千万ドルを約束されていたが、うち9本は資金を一切受け取っていない。

  ブルームバーグの取材に対し、エリー・カシェット氏は電子メールで、昨年6月のパーティーが開かれた金曜の夜は米カリフォルニアにいたと説明。病気のためオランダに向かうことができなかったとしながらも、抜けられない会合には触れなかった。ただ誰かを欺いたとの見方は否定。「私に怒っているベンチャーキャピタルがあるは承知している」とした上で、「私のファンドは全く本物だと断言でき、スケジュールから若干遅れているだけだ」と主張した。

Parliament buildings in The Hague

ハーグ

 

原題:The Elusive $1 Billion Fund That’s Rattled Venture Capital(抜粋)

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