コンテンツにスキップする

米金融当局が想定のバランスシート拡大、ウォール街の期待にとどかず

  • 当局と市場との見解の隔たりで10月FOMCは危険をはらむものに
  • 「自律的」拡大を想定の米金融当局、QEとの違いの強調に腐心

金融アナリストは、米連邦準備制度がバランスシートを拡大し、短期金融市場の混乱のリスクを減らすには、米国債約2000億-5000億ドル(約21兆6000億-54兆円)相当を購入する必要があると指摘する。

  これほど多額のオペとなれば、金融当局者の多くが現在話しているバランスシートの「自律的」拡大を大幅に上回ることになると考えられる。

Federal Reserve Exterior As Fed Looks Locked In For Quarter-Point Cut

ワシントンのFRB本部

  それはさらに、金融当局が先の金融危機の際に活用し、トランプ大統領が肯定的に語っているような量的緩和(QE)プログラムとの類似点を想起させるのは確かだろう。

Fed's balance sheet has contracted in recent years

  金融当局者はこれに対し、資産購入を再開することになっても、経済規模の拡大に伴う通貨および流動性需要の増大への当然の対応だとして、QE再開に当たるとの考えを否定しようとしている。

  連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は18日の記者会見で、「バランスシートの自律的な拡大をいつ再開させるのが適切か、われわれは点検する方針だ」と述べるとともに、10月29、30両日の次回連邦公開市場委員会(FOMC)会合の際にこの問題を議論すると話した。

  こうした議長の発言は今後1年間の米国債購入が約1000億-2000億ドル相当となることを意味し、問題であるとアナリストは指摘。10月の次回FOMC会合後にウォール街が発表を期待している額を大きく下回るからだ。

  「それがメッセージ上もしくは政治的意味合いを持たないのであれば、まとまった額の米国債をざっくばらんに購入するのが明白な選択肢となるだろう」と、ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は電子メールでコメント。「ただ、FOMCにそのような意欲があるか、全く分からない」と記した。

  さらに、「これにより、10月の会合は市場にとって危険」をはらむことになり、金融当局が利下げを見送る場合は特にそうだと付け加えた。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏もこれに同意する。金融当局がずっと小規模なバランスシート拡大に着手するなら、投資家の失望は「極めて大きい」ものとなる恐れがあるとの見方を示した。

  フェロリ氏は、金融当局が10月に今年3回目となる利下げに踏み切ると予想。ただし、投資家にはそれほど確信はない。フェデラルファンド(FF)金利先物市場の取引を踏まえると、投資家が織り込む10月利下げの確率は5分の2程度となっている。

原題:Fed Backs Organic Balance Sheet Rise, Wall Street Wants Whopper(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE