債券下落、日銀スティープ化策警戒で売り優勢-あすの10年入札も重し
三浦和美
更新日時
債券相場は下落。日本銀行が夕方に公表する10月の国債買い入れオペの運営方針で超長期ゾーンを中心に減額姿勢を示すとの見方に加え、10年債入札を翌日に控えて長いゾーンの売り圧力が強まり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。
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市場関係者の見方
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミスト
- 日銀はきょう残存1年超3年以下を増額して、3年超5年以下を減額するツイストオペを実施し、10月の決定会合のマイナス金利深掘りを念頭にスティープ化を明確に企図する姿勢を示した
- かなり大幅な深掘りになる場合はフラット(平たん)化がかなり進む可能性があり、5年ゾーンを起点に長期・超長期債のスティープ化に働きかけるということだと思われる
- 10月のオペ方針についてもスティープ化方向のメッセージが強く打ち出されると思われ、目先は売り圧力が掛かりやすい

先週末からややスティープ化
日銀オペ
- 対象は残存1年超5年以下
- 買い入れ額は1ー3年が4200億円と前回から200億円増額、3-5年は3400億円と200億円減額
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミスト
- 3-5年の減額は5年など中期ゾーンの買いが強く、マイナス金利が深くなっていることへの対応だろう
- 1-3年の増額は長期・超長期ゾーンを減らしていることとの調整もあるだろう
- 備考:過去の日銀オペ結果一覧
10月のオペ運営方針
- 日銀は午後5時に当面の長期国債等の買い入れの運営についてを公表
- 三菱モルガンの六車氏
- 足元の買い入れ額に合わせて、オファーレンジが下方修正される見込み
- その上で、10月に入って金利動向を見ながら、場合によっては一段の減額もあり得る
新発国債利回り(午後3時時点)
2年債 | 5年債 | 10年債 | 20年債 | 30年債 | 40年債 | |
-0.325% | -0.365% | -0.230% | 0.185% | 0.355% | 0.415% | |
前週末比 | 横ばい | -0.5bp | +1.0bp | +2.0bp | +3.5bp | +3.5bp |
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