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8月の鉱工業生産は2カ月ぶり低下-判断「弱含み」に下方修正

更新日時
  • 深い調整があった後の戻りが相当鈍い状況-クレディSの白川氏
  • 9月の予測指数は前月比1.9%上昇-経産省試算値は0.3%上昇

8月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)は、前月比で2カ月ぶりに低下した。台風の影響や夏季休暇で工場稼働日が減る中、低下率は市場予想を上回った。基調判断は「生産はこのところ弱含み」に下方修正された。経済産業省が30日発表した。

キーポイント

  • 8月の生産指数は前月比1.2%低下(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.5%低下)の101.5-前月は1.3%上昇
  • 出荷指数は前月比1.4%低下、在庫指数は横ばい、在庫率指数は2.8%上昇
  • 製造工業生産予測調査によると、9月は前月比1.9%上昇、10月は0.5%低下
    • 予測誤差を加工した9月の試算値は0.3%上昇
  • 基調判断の「弱含み」は3月以来、従来は「生産は一進一退」だった

            

生産の推移

エコノミストの見方

クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミスト:

  • 生産活動は外需の影響を受けているところが大きいと思うが、1-3月期に大きく下がってその後はL字型。深い調整があった後に戻りが相当鈍いという状況になっている
  • 米国や中国の製造業の先行指標を見ても年内に需要が戻る感じではない。輸出も環境的には10-12月にはあまり改善が見られないと思う。生産活動的には低水準、横ばいというイメージ

モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミスト:

  • 生産は弱いという評価でいい。特に在庫率が高止まりしている。消費増税の前にこれだけ高止まっているというのはあまりよくない
  • 生産が弱いのはグローバルで貿易が減速しているのが影響している。10-12月期のGDPはマイナスになるとみている
  • 日本銀行は10月末に追加緩和する可能性が高い

詳細

  • 8月の生産は前月上昇の反動減、台風の影響や夏季休業により工場稼働日が少なかった。鉱工業指数は上昇と低下を続け、ならしてみると徐々に低下している。15業種中12業種が低下、3業種が上昇-経産省担当者
    • 低下寄与1位の鉄鋼・非鉄金属工業は、台風の影響や設備の定期修理があり、生産、出荷ともに大幅に低下
    • 低下寄与2位は生産用機械工業、フラットパネルディスプレー製造装置は一部企業から中国向け生産を減らしたとの声も。低下寄与3位の自動車工業とともに、夏季休業に伴い工場稼働日が減少
  • もともと輸出が弱含んでおり、輸出が回復しないまま生産水準がじりじり下がってきている。在庫も高止まりしたまま。生産が回復していく様子が見えにくい-経産省
  • 消費増税前の駆け込み需要が盛り上がっているわけではなく、生産上昇に向かう要因がここ最近大きくない。中国経済減速に伴う世界的な経済鈍化が波及している-経産省
  • 日韓関係の影響は特に聞いていない-経産省

背景

  • 経産省が前月発表した製造工業生産予測調査では、8月は前月比1.3%上昇、試算値は0.7%低下だった
  • 8月の貿易収支は2カ月連続の赤字。中国向けの半導体等製造装置や自動車部品の輸出が落ち込んだ
  • 中国経済は9月まで5カ月連続で減速。ブルームバーグ・エコノミクスが独自に作成した指標によると、米国との貿易戦争が景気の足を引っ張る中、貿易や生産者物価、中小企業の景況感が軒並み悪化した
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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