米国株が3週間ぶり安値、貿易摩擦の激化を警戒
Sarah Ponczek、Vildana Hajric
27日の米株式相場は続落し、3週間ぶりの安値。安全への逃避を促した。政治的な不安材料が満載となった1週間は、貿易戦争がさらに深刻化するとの警戒を伴って終了した。
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S&P500種株価指数は週間ベースで1%安。中国へのポートフォリオ投資を制限する方法をトランプ政権が協議していることが明らかになり、巨額の影響が及ぶとの不安が広がった。貿易の影響を最も受けやすい銘柄や、中国関連株の下げがきつい。S&P500種は主要なテクニカル指標を割り込んだ後に、やや戻した。
S&P500種は前日比0.5%安の2961.79。ダウ工業株30種平均は70.87ドル(0.3%)下落の26820.25ドル。ナスダック総合指数は1.1%下げた。ニューヨーク時間午後4時47分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%。
株価は今週の大半にわたって圧迫される展開だったが、24日に発表されたトランプ大統領に対する弾劾調査開始が最大の売り材料だった。世界的な成長減速を巡り神経質になっている市場に、新たな大型リスクが加わった。米国債は週間で上昇。
サンフランシスコに拠点を置くBOSのプリンシパル、ジェニファー・エリソン氏は「誠実そうな態度で会合に参加し、翌日に相手国への資金流入を制限する。こうした行ったり来たりのエスカレーションはとにかくばかげているし、危険な火遊びだ」と指摘。「これを含めてあらゆる材料が経済を動かす。大きく踏み外せば、状況は後退しかねない」と述べた。

NY原油先物は乱高下の末に下落。エネルギー需要を圧迫している米中の貿易戦争が、さらにエスカレートするとの見方が強まった。トランプ政権当局者らは米投資家のポートフォリオ投資による中国への資金流入を制限する方法を協議していると、複数の関係者が明らかにした。実行されれば、主要指数に連動した巨額の投資資金に影響が及ぶ。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は50セント(0.9%)安の1バレル=55.91ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は83セント下落の61.91ドル。
ニューヨーク金相場は下落し、1オンス=1500ドルを割り込んだ。週間ベースでは6カ月ぶりの大幅安。一方、金価格に連動する上場投資信託(ETF)には投資資金の流入が続いた。ニューヨーク時間午後2時21分現在、金スポットは0.5%安の1オンス=1497.82ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.6%安の1506.40ドルで終了した。
原題:U.S. Stocks Hit 3-Week Low as Trade Tensions Rise: Markets Wrap(抜粋)
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