米国株が反落、貿易や政治劇巡り-国債は上昇
Jeremy Herron、Vildana Hajric
26日の米株式相場は荒い値動きが日中続いたあと、下落して引けた。米国債は上昇。最新の政治的な混乱や貿易を巡るニュースを背景に、リスク資産の需要が減退した。
|
S&P500種株価指数は反落し、過去5営業日で4日目の下落。出来高は30日平均を約15%下回った。最新の米政治劇の中心となっている内部告発書の公表に加え、中国の華為技術 (ファーウェイ)に米企業が部品などの供給を継続するための一時的な制裁猶予措置を米国が延長する可能性は低いとする米当局者発言で株価は圧迫された。ディフェンシブ銘柄は上昇。米国債利回りは低下した。
S&P500種は前日比0.2%安の2977.62。ダウ工業株30種平均は79.59ドル(0.3%)下落の26891.12ドル。ナスダック総合指数は0.6%値下がり。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%。
世界的な経済成長減速の兆しを巡り既に神経質になっている市場に、大統領弾劾や貿易を巡るニュースが引き続き追い打ちをかけた。米国がサウジアラビアの防空体制を強化する動きに出たことで、地政学的な不安も高まった。米経済の基盤は依然しっかりしていることがこの日発表の経済統計で示唆されたものの、市場センチメントを押し上げることはできなかった。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州最高投資責任者、マイク・ライアン氏は「トランプ大統領の弾劾リスクよりも同氏の通商政策の方に市場は注目しているようだ」と指摘。「通商交渉に関するホワイトハウスの決定にこれがどのような影響を及ぼすのかは不確実要素だ。加えて、ワシントンのさらなる両極化が予算問題あるいはインフラ支出を巡る超党派の協調に波及し得るかどうかも注意深く見守る必要があるだろう」と述べた。

NY原油先物はほぼ変わらず。米国がサウジに防空システムと軍隊を追加配備すると発表したことを受け、下げを埋めた。同国は石油生産関連施設を攻撃され、生産が半減した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は8セント(0.1%)安の1バレル=56.41ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は35セント上昇の62.74ドル。
ニューヨーク金相場は小幅反発。前日はほぼ3週間ぶりの大幅安となっていた。貿易面での新たな楽観は広がっているものの、米国の政治的緊張や中国経済の減速が続いている兆しが重しになった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.2%高の1オンス=1515.20ドルで終了。
原題:Stocks Drop on Trade, Political Drama; Bonds Rise: Markets Wrap(抜粋)
Oil Reverses Loss As U.S. Sends Missile, Troops to Saudi Arabia
PRECIOUS: Gold Gains as U.S. Political Fray Damps Risk Appetite