コンテンツにスキップする

ウォール街が探る「米大統領弾劾トレード」、シナリオ多すぎて不可能

  • 弾劾問題が米中貿易戦争にどう影響するかが最大の問題
  • 「今はこの件を材料にした取引はできない」とパーブス氏

ペロシ米下院議長はほんの数分の声明で、大豆から株式、債券、ドルなど全ての資産の価格を動かしかねない米大統領弾劾のプロセスを解き放った。

  問題は、資産価格がどの方向に動くかだ。トランプ大統領は予想のつかない言動で歴代のどの米大統領よりも市場に影響を与えてきたが、弾劾問題でまたも相場を動かしそうだ。トレーダーはその動きを予想するのに忙しい。トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領に、民主党の大統領候補となり得るバイデン前副大統領の「調査」を依頼していたことが分かったが、政局、そして市場がどう動くかは全く分からない。

House Speaker Pelosi Announces Formal Trump Impeachment Investigation

ペロシ下院議長

  トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズのマイケル・パーブス最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「今はこの件を材料にした取引はできない。それは不可能だ」と話す。

  「あまりにも多くのシナリオがある。バイデン氏にとって有利になるのか、不利になるのか。(エリザベス・)ウォーレン氏に支援材料なのか。最終的にウォーレン氏が民主党の大統領候補になった場合、トランプ氏にとってどうなのか。弾劾決議に至るとして、共和党が支配する上院で弾劾が現実になることがあり得るのか。シナリオが多過ぎるので、今はこの問題を無視して自分のやり方で投資し続けるしかない」と、パーブス氏は付け加えた。

Stocks move on Trump, Pelosi announcements

  これは健全なアドバイスかもしれないが、重要な第4四半期が近づく中で今回のメロドラマ無視はウォール街で働く大勢にとって選択肢ではない。投資家とアナリストは、トランプ大統領就任以降で最も劇的なドラマから利益を得るための取引アイデアをひねり出そうと懸命だ。

  恐らく最大の問題は、弾劾問題が米中貿易戦争にどう影響するかだが、これに関してのコンセンサスはほとんどない。ただ、弾劾のプロセスには時間がかかるとの見方で大方が一致しており、その間は議会が機能せず、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)や医薬品の価格設定案などが後回しにされる可能性を指摘する声はある。

  また、ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの金利ストラテジストらは、投資家が政治リスクを織り込むことで米国債利回り上昇が抑制されると予想。向こう6-12カ月間に景気が悪化しても議会が支出法案で合意できる可能性は低いため「実に怖い」と述べた。

原題:Trading Impeachment Threat Is Mission Impossible for Wall Street(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE