日米貿易協定の最終合意、主な勝ち組は米国の農家-大統領の支持基盤
Mario Parker-
日本は72億ドル相当の米農産物への関税を削減ないし撤廃
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米国の農業にとって「非常に大きな勝利」-トランプ大統領

トランプ大統領と安倍首相
Photographer: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP貿易戦争と商品価格の低迷、悪天候に揺さぶられてきた米国の農家は、トランプ大統領による日本との貿易協定の最初の合意で主な勝ち組になる見込みだ。
米通商代表部(USTR)によると、トランプ大統領と安倍晋三首相が25日に発表した貿易協定の下、日本は約72億ドル(約7760億円)相当の米農産物への関税を撤廃ないし削減する。

NYで記者会見したトランプ大統領(9月25日)
Photographer: Victor J. Blue/Bloomberg
USTRは25日の声明で、日本が牛肉や豚肉など米国からの農産物に対する関税を段階的に引き下げると発表。アーモンドとブルーベリー、スイートコーン、モロコシ(ソルガム)を含む13億ドル相当の米農産物の関税を撤廃するとした。また、エタノールやチーズ、乳清、冷凍鶏肉、オレンジなどの産品に対する関税も撤廃される。
トランプ大統領の支持基盤の重要部分を占める米国の農家は、貿易協定の内容が精査される中で焦点となっていた。1年超にわたる米中貿易戦争では、中国が大豆を含む米農産物に報復関税を発動。これを受けトランプ政権は280億ドルの農家支援を発表していた。
25日に記者会見したトランプ大統領は日本との合意を米国の農業にとって「非常に大きな勝利」と呼び、「これらは米国の農家や畜産業者にとって実に莫大な利益になる」と語った。
一方、コメは貿易協定の農産物リストから外れた。
USTRはこの計画を関税協定の「第1段階」と見なし、実施されれば日本への米国の食品および農産物の輸出の90%余りが免税となるか優遇措置を受けると説明した。
原題:American Farmers Main Winners from U.S.-Japan Trade Agreement(抜粋)
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