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Photographer: Callaghan O'Hare/Bloomberg

三菱商事が解雇した原油トレーダー、未承認取引を否定

更新日時
  • 上司の指示に従った行動で未承認取引ではないと主張-弁護士
  • 原油取引で3億2000万ドルの損失発生と三菱商事は20日発表済み
Oil drill pipe casings sit at a Colgate Energy LLC site in Reeves County, Texas, U.S., on Wednesday, Aug. 22, 2018. Spending on water management in the Permian Basin is likely to nearly double to more than $22 billion in just five years, according to industry consultant IHS Markit.
Photographer: Callaghan O'Hare/Bloomberg

原油取引で3億2000万ドル(約340億円)の損失を発生させたとして三菱商事を解雇された中国人トレーダー、ジャック・ワン(王興辰)氏は、上司の指示に従った行動であり未承認取引は行っていないと主張している。同氏の弁護士でシンガポールを本拠とするジョゼフ・チェン氏が明らかにした。

  同弁護士によると、三菱商のシンガポール子会社、ペトロダイヤモンド・シンガポールでの損失は、会社側がデリバティブ(金融派生商品)ポジションを「尚早に」決済した結果生じた。同弁護士は「依頼人は、原油デリバティブの未承認取引は行っていないという立場だ」と文書で説明した。

  三菱商は20日、ペトロダイヤモンドで損失が発生する見込みだと明らかにした。1人のトレーダーが1月以降に未承認の原油デリバティブ取引を繰り返し、ヘッジ取引であるかのように装っていたと説明した。損失額は同社の予想通期利益の約6%に相当するという。

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  この損失は三菱商の通期利益見通し下方修正につながる可能性があるほか、トレーディング部門の内部管理について疑問を生じさせかねない。同社は、十分な管理が行われているとしている。

  三菱商の発表資料によると問題の取引は、原油安でデリバティブによる巨額損失が出た後の8月中旬に明らかになったが、当時このトレーダーは欠勤していた。同トレーダーはペトロダイヤモンドのリスク管理システムのデータを操作し、顧客との実際の取引に関連しているように見せかけていたという。損失につながる恐れを把握後、同社はデリバティブポジションを解消したとしている。9月18日付でトレーダーを解雇、19日にシンガポールで刑事告訴した。

  一方、王氏の弁護士であるチェン氏はブルームバーグに対し、依頼人は常に、社内の報告手順とポリシーを順守しており、取引はペトロダイヤモンドの財務部門の精査を受けていたと説明した。問題の取引が行われていた期間を通じて「内部管理は行われていた」という。

  王氏は8月に休暇を取り、その後病欠していたとチェン弁護士は説明。姿を隠していたわけではないが、身の安全への懸念から現在の所在は明らかにできないとしている。同氏がペトロダイヤモンドに「適切に応対した」とも付け加えた。

  三菱商とペトロダイヤモンドはブルームバーグに対し、「当社として、これまでの調査に基づく事実は、先日発表させていただいた通りです。今後の捜査について警察当局に協力して参ります」と電子メールで回答した。

  さらに、当該部門の内部調査を実施し、十分な管理がなされていると結論付けたという。不適切な行為があれば、はるかに早い段階で発見できるようガバナンスを強化したとも付け加えた。

  シンガポール警察当局は告訴状が提出されたことを確認した。現在捜査中だとし、一段の情報の開示は控えた。

原題:Oil Trader Fired by Mitsubishi Denies Allegation of Hidden Bets(抜粋)

(第4段落以降に三菱商からのコメントなどを加えて更新します.)
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