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資金集めに苦しむ中国の注目スタートアップ、ブーム細る新たな兆し

  • ソフトバンクG出資の満幇集団、資金調達を取りやめ利益重視
  • ソフトバンクGに勝ち組選ぶ能力が備わっているのか疑念も

中国で最も注目されるスタートアップ企業でさえ資金集めに苦しんでいる状況というのは芳しくない。

  テクノロジーのイノベーションを目指す3社が今年、資金調達を延期するか取りやめている。中国の驚異的なテクノロジー新興企業ブームが細り始めている新たな兆しだ。  

  ソフトバンクグループが出資するトラック配車アプリのフル・トラック・アライアンス(満幇集団)は最大10億ドル(約1070億円)を集める計画だったが実現せず、今は最終利益を重視している。

  人工知能(AI)関連の新興企業として評価額世界一のセンスタイム・グループ(商湯科技)は数カ月前、20億ドル程度の調達に向けて準備を始めていると事情に詳しい関係者が明らかにしたが、今は調達目標額などを定めない投資家説明会を開いているという。   

  フレキシブルディスプレーなどを生産するロヨル柔宇科技)は、10億ドル程度を目標とする資金調達ラウンドの検討を数カ月前に始めたが、引き続き複数の中核となる投資家を必要としていると事情に詳しい関係者が明らかにした。同社の広報担当コニー・リウ氏はコメントを控えた。  

Skittish Investors

Only 45 Chinese-focused VCs have raised funds this year

Source: Preqin

  

  中国のテクノロジー業界は過去10年、繁栄を謳歌(おうか)し、急激かつ歴史的に見ても大規模な富の創出をけん引してきた。こうしたブームの中で、アリババ・グループ・ホールディングテンセント・ホールディングス(騰訊)、バイトダンス(字節跳動)といった世界をリードする企業が誕生、ソフトバンクGやベンチャーキャピタルなどから巨額の資金を集めた。

  それが2019年に入ると状況が変わった。米中貿易戦争が中国への投資意欲をそぎ、ディールの流れを抑えたためだ。企業価値10億ドル以上の未上場企業、いわゆるユニコーンを100社余り生んだ高揚感はしぼみつつある。世界では、シェアオフィスを手掛ける米ウィーワークの親会社ウィー・カンパニーの新規株式公開(IPO)計画がつまずき、投資家の警戒感を強める格好となった。 

  ソフトバンクGはウィー・カンパニーや5月に米国でIPOを実施したウーバー・テクノロジーズの筆頭株主だ。

Funding Drop

Money raised by China-focused venture capital funds declines sharply

Source: Preqin

  コンサルティング会社エージェンシーチャイナのリサーチ・戦略アナリスト、マイケル・ノリス氏は「中国で過去数年にわたり支配的だった投機的な投資メンタリティーは今年に入り、全く冷え込んだ」と指摘。「ソフトバンクによる大規模投資は出資を受けた企業に妥当性の感覚を与えてきたものだが、ウーバーやウィーワーク的な世界の企業が今年示したのは、ソフトバンクには勝ち組を選ぶ能力が備わっていないかもしれないということだった」と述べた。

 

原題:China’s Hottest Startups Struggle for Cash Amid Trade War (抜粋)

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