コンテンツにスキップする

ゴーン被告が約150億円の非公表報酬を隠した手法、SEC報告で判明

From

米証券取引委員会(SEC)と日産自動車、同社前会長のカルロス・ゴーン被告の和解で明るみに出たものがある。同被告への1億4000万ドル(約150億円)余りに上る支払いが公開されないよう確実にした手法だ。

  日産とゴーン被告、同社前代表取締役のグレッグ・ケリー被告は日本で起訴されているが、詳細のほとんどは公表されていない。公判は来年まで始まらない見通しで、両被告が使ったとされる手口の一部はSECの文書がこれまでで最も明瞭に説明した。以下がその一部だ。

Carlos Ghosn Leaves Prison on Bail After 108 Days of Detention

カルロス・ゴーン被告

Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

役員報酬開示規則の変更

  SECの発表資料によると、日本で役員報酬開示規則の変更が迫っていた2009年に「ゴーン氏は自らの報酬総額が公表されれば日本とフランスのメディアから批判を浴びる恐れがあると懸念するようになった」という。

  このため11年から毎年、ある幹部社員が「ゴーン氏の固定給総額と支払い済みかつ公表する報酬、未払いで公表しない残りの報酬を要約した文書を用意し、ゴーン氏の承認を受ける」ようになった。ゴーン被告の約9400万ドルに上る非公表の報酬は、こうして決定されたとSECは指摘した。

支払い方法

  非公表の報酬支払いでは、「ゴーン氏とその部下は、日産関連の事業体を通じて開示せずに非公表の報酬支払いを済ませようと、さまざまな経路を模索した」が、不特定の後日に支払いを延期することを決定した。

  SECによると、支払われた報酬額と支払い延期となった報酬額、報酬総額は毎年スプレッドシートに記された。ある日産社員は、それぞれの報酬額を設定するのに毎年度準備するリポートのほか、こうしたスプレッドシートを毎年度更新・維持し、「ゴーン氏に見せたり、提供したりしていた」という。

別の支払い手口が浮上

  ゴーン被告とその部下は非公表の報酬で支払いを実施しようと、日産の長期インセンティブを活用する新たな案を13年に模索したと、SECは説明。同被告はそれまでにインセンティブ・プランに参加していなかったが、ある日産社員が日付をさかのぼってごまかした書簡を作成し、非公表の合意済み報酬額をゴーン被告に払い出すことを可能にしたとしている。

  SECによると、「書簡には日産の役員報酬開示対象から外され、支払いが延期された報酬をゴーン氏が確実に受け取れるようにする意図があった」。この資金はいわゆるCEOリザーブから拠出され、最高財務責任者(CFO)の承認が必要だったが、大半の額がゴーン氏に支払われることになっていたにもかかわらず「多数の社員に幅広く支払われる」との虚偽の説明がなされていた。

退職金の水増し

  さらにゴーン被告は別の手口を使い、退職金を5000万ドル以上水増ししたと、SECは指摘。同被告とその部下はこの目的で退職金に関する書簡の日付を書き換え、会計記録に変更を加えようとした。退職金の増額は公表しなければならないため、計算ミスだったと言い逃れることも決めていたという。

原題:
How Carlos Ghosn Hid $140 Million in Compensation From Nissan(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE