銀行の人員削減、年初来で6万人に近づく-ほとんどが欧州
Nicholas Comfort、Steven Arons
銀行が今年に入って発表した人員削減数の合計は6万人に近づいた。そのほとんどが欧州での削減になる。マイナス金利と景気減速によって、ドイツのコメルツ銀行など欧州銀はコスト削減の加速を迫られている。
コメルツ銀は先週、4300人の削減計画を発表した。これを加え、今年発表された削減数は合計で約5万8200人となった。このうち約90%が欧州。
Job Losses
European banks have disclosed the highest number of targeted job cuts
Source: Company filings and labor union disclosures since the start of 2019
欧州の金融業界の弱さが浮き彫りになる数字だ。5年に及び銀行の収益の重しとなっているマイナス金利が最終的には上昇に向かう望みも、米中貿易戦争が欧州の輸出に打撃を与える中でついえ、欧州中央銀行(ECB)は今月、金利をさらに引き下げた。
人員削減リストのトップはドイツの銀行で、ドイツ銀行は投資銀行業務の大きな部分からの撤退に伴い2022年までに1万8000人を減らす計画。スペイン、英国、フランスの銀行も数千人規模の削減で収益力強化を図っている。
Biggest Cuts
Ten firms make up the vast majority of announced bank job cuts in Europe
Source: Company filings, labor union disclosures to date in 2019
欧州の銀行も暗いニュースばかりではなく、テクノロジーやコンプライアンスの分野では人員を増やそうとしている。コメルツ銀は再編の一環として「戦略的エリア」で約2000人を増やす計画を示している。
原題:Bank Job Cuts Approach 60,000 as Commerzbank Plans to Swing Ax(抜粋)