【米国株】米政治的混乱で株下落-米国債は上昇
Jeremy Herron、Sarah Ponczek
24日の米株式相場は下落。米国の政治的混乱に振り回された。米民主党はウクライナ疑惑に基づき、トランプ大統領に対する正式な弾劾手続きを開始する見通しとなった。
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S&P500種株価指数は1カ月ぶりの大幅安。ペロシ米下院議長はトランプ大統領に対する正式な弾劾尋問を発表すると、米紙が報じた。これより先、トランプ氏がウクライナ大統領との電話会談の記録を25日に全面公表すると述べると、S&P500種は下げ幅を縮小する場面もあった。情報当局者の内部告発につながった同電話会談の内容は、議会の調査対象となっている。
S&P500種は前日比0.8%安の2966.60。ダウ工業株30種平均は142.22ドル(0.5%)下落の26807.77ドル。ナスダック総合指数は1.5%下げた。ニューヨーク時間午後4時50分現在、米10年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.65%。同利回りは2週間ぶり低水準を付けた。
またトランプ大統領が国連での演説で中国に加えて、ソーシャルメディアの勢力拡大に関して否定的な発言をしたことで、「FAANG」株を構成するアマゾン、フェイスブック、ネットフリックス、アップル、グーグルの親会社アルファベットが値下がり。消費者信頼感の悪化も弱材料となった。
ウィリアムズ・キャピタル・グループのトレーダー、スティーブン・カール氏は「多くの地政学的情勢や不確実性にわれわれは対処している」と指摘。「対中貿易の状況やそれを巡る不透明感があらためて浮き彫りにされたことで、再び注目が集まっている。この日はさらに、トランプ氏のウクライナとの会談やイランも話題になった。国内では、ペロシ議長が弾劾に関して話す可能性がある。これら全てがたった1日で出てきて、売り圧力が強まった」と述べた。

NY原油先物は反落。1週間ぶりの大幅安となった。トランプ大統領の国連演説を受けて、エネルギー需要を支える世界経済成長の見通しが暗くなった。トランプ氏は演説で中国を激しく批判したほか、イランについても「威嚇的な行動」を非難した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は1.35ドル(2.3%)安の1バレル=57.29ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は1.67ドル下落の63.10ドル。
ニューヨーク金先物相場は続伸。一時の下げを埋め、2週間ぶりの高値を付けた。米消費者信頼感指数の低下や貿易摩擦がさらに悪化する兆しを背景に、金への逃避買いが強まった。トランプ大統領は演説で、中国が為替を操作し、知的財産を盗んでいると非難。米中の貿易交渉は数週間後に閣僚級の協議を予定している。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.6%高の1オンス=1540.20ドルで終了。
原題:Stocks Fall, Bonds Rise on U.S. Political Turmoil: Markets Wrap(抜粋)
Crude Declines as Trump’s China Rhetoric Fuels Gloomy Outlook
PRECIOUS: Gold Rebounds to Two-Week High as U.S. Confidence Sags