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欧州委員長「英EU離脱は実現しよう」-10月末までの合意可能

更新日時
  • 自動車が相互に高速で接近するチキンレースの様相だとEU当局者
  • 英首相から18日に文書を受け取ったが読んでいないとユンケル氏

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長は、英国との新たな離脱合意案について、10月31日までに「われわれは成立させることができると思っている」とした上で、「合意なき離脱となれば、少なくとも1年は壊滅的な影響を伴うと考えており、そのアイデアに賛成できない私は全力を尽くしている」と語った。

  22日午前放送予定のスカイニューズとのインタビューでの発言を受け、ポンド相場は上昇した。

  ユンケル委員長は、アイルランド国境のハードボーダー(物理的壁)回避を保証する「バックストップ」条項に関し、「われわれと英国がバックストップの主要な目的を達成できる代替措置」が導入される場合に限り、その条件が満たされれば、離脱協定案から同条項を削除する用意があることを確認。「英国のEU離脱は実現するだろう」と述べ、10月末の退任前の合意成立にまだ希望を持っていることを示唆した。

  EU離脱は、大惨事がまさに起きようとしているように遠くからは見えるが、すぐ近くで見守る欧州の当局者の1人は、相手が先に脇にそれると互いに期待しつつ2台の自動車が高速で接近しているような状況だと話す。

  英EU離脱を巡る瀬戸際戦術は、我慢比べの「チキンレース」にこれまで例えられてきた。相互不信に加え、「合意なき離脱」に伴う経済への壊滅的な影響回避のため合意を何とか成立させようという意思が消滅しつつある無力感も存在する。

  離脱期限の10月31日が迫る中で、英・EUのどちらの交渉担当者も現状について悲観的な展望を示す。EU各国政府の間では、ジョンソン英首相に「奥の手」があるのか、あるならいつそれを見ることができるのか疑問の声が聞かれる。

Boris Johnson Marks London International Shipping Week

ジョンソン英首相

  離脱期限まで2週間足らずの10月17、18日というタイミングで開かれるEU首脳会議まで、それを待たねばならないだろうか。フランスのマクロン大統領とEU議長国フィンランドのリンネ首相は9月18日のパリでの会談で、英国が書面で提案を行う期限を同月30日に設定することで一致した。

  19日のスカイニューズ(オンライン版)によれば、欧州委のユンケル委員長はインタビューで、新たな離脱合意案の概要を盛り込んだ文書をジョンソン首相から18日夜遅くに受け取ったが、まだ読んでいないことを明らかにした。

  ユンケル氏は18日の仏ストラスブールの欧州議会では、英国との合意が望ましいとしながらも、「われわれがそこに至る確信はない。合意なき離脱のリスクは極めて現実的だ」と説明していた。

Brexit to Be Delayed to End of October As Macron Plays Hardball

ユンケル欧州委員長

原題:On Brexit, the Political Will to Avert No-Deal Is Ebbing Fast
EU’s Juncker Thinks Brexit Deal Can Be Reached by Oct. 31: Sky(抜粋)

(ユンケル委員長のインタビュー内容を追加して更新します.)
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