【米国株・国債・商品】米国債が上げ幅縮小、株は下げ埋める展開
Brendan Walsh、Vildana Hajric18日の米金融市場では、米国債が上げ幅を縮小。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今年2度目の政策金利引き下げに踏み切ったものの、さらなる緩和の必要性に関する見方が分かれた。株式相場は下げを埋める展開。金利上昇がプラスに作用する金融銘柄が値上がりした。
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S&P500種株価指数は一時4週間ぶりの大幅安となる場面もあったが、下げを埋めて引けた。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、景気減速の兆候に対して警戒を怠らないと表明した。銀行株が堅調。米10年債利回りは1.8%をわずかに下回る水準に低下した。
S&P500種は前日比ほぼ変わらずの3006.73。ダウ工業株30種平均は36.28ドル(0.1%)上昇の27147.08ドル。ナスダック総合指数は0.1%下落。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時54分現在、10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、1.796%。
FOMCの0.25ポイント利下げは広く予想されていたものの、年内の追加利下げに関する見通しの方がより注目されていた。
アライアンスバーンスタインのシニア米国エコノミスト、エリック・ウィノグラド氏は、「われわれが受け取ったガイダンスは強弱まちまちの内容だったと考える」と指摘。「米金融当局はリセッション(景気後退)に陥ることに歯止めを掛けたいと望んでいるが、成長押し上げに向けては何もしないつもりだ」と述べた。

原油価格は続落。サウジアラビアの原油生産が早急に回復する見通しと、世界の在庫が十分にあるとの見方に市場の注目が移った。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は1.23ドル(2.1%)安の1バレル=58.11ドル。ロンドンICEの北海ブレント11月限は95セント安の63.60ドルで終了。
ニューヨーク金スポット相場は下落。追加利下げの必要性を巡ってFOMC当局者らの意見が分かれていることが明らかになり、金を6年ぶり高値に押し上げた金利見通しが不透明になった。ニューヨーク時間午後2時42分現在、スポットは0.5%安の1オンス=1493.29ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限はFOMCの発表前に、0.2%高の1515.80ドルで終了した。
原題:Bonds Erase Gains, Dollar Climbs on Hawkish Fed: Markets Wrap(抜粋)
Oil Slides as Focus Shifts to Quick Return of Saudi Supply
Gold Declines as Fed Statement Inserts Doubts Into Rates Outlook
Gold Posts Third Straight Gain Ahead of Fed Policy Decision