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日銀、マイナス金利深掘り必要になっても逆効果生じずと認識-関係者

  • 9月会合、日銀内の一部で直ちに追加緩和に踏み切る必要ないとの声
  • 金利の大幅低下受け「適正なイールドカーブのあり方」も議論へ

日本銀行は、今後追加緩和策として現在マイナス0.1%の短期政策金利の引き下げが必要になった場合でも、日本経済や金融市場に逆効果が生じることはないとみている。複数の関係者が明らかにした。

  マイナス金利導入から3年半以上が経過し、黒田東彦総裁がマイナス金利の深掘りは追加緩和手段の選択肢の1つとの発言を繰り返していることを受けて、市場でも有力な追加緩和手段との認識が浸透していることが背景にあるとしている。

  日銀は18、19日に金融政策決定会合を開く。関係者によると、日銀内の一部には足元で金融市場が落ち着きを取り戻し、堅調な内需も維持されているとして、直ちに追加緩和に踏み切る必要はないとの指摘がある。ただ、海外経済の不透明感が増す中で、利下げが確実視される18日の米連邦準備理事会(FRB)の決定や市場の反応次第では、日銀の議論が追加緩和に傾く可能性は残るという。

9月会合の日銀サーベイ記事はこちらをご覧ください

  マイナス金利政策は2016年1月の導入当初、電撃的な決定だったこともあり、金融取引の実務面のみならず、社会的な混乱も招いた。直後に長期・超長期金利が大きく低下し、金融機能や市場機能にかえって悪影響を及ぼすとの認識の下、現在のイールドカーブコントロール(YCC)政策が導入された経緯がある。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda Attends Branch Managers Meeting

日本銀行本店

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  関係者によると、現在はマイナス金利を前提に金融取引が行われており、日銀は導入当時とは環境が異なると認識している。懸念される金融仲介機能や金融システムへの影響も、日本の金融機関が全体として厚い自己資本を有していることなどを根拠に、直ちに不安定化する可能性は小さいとみている。

  関係者によると、日銀内では今年後半と見込んでいた世界経済の回復時期が後ずれするとの見方が大勢で、将来的にリスクが顕在化した場合に備えた対応策の検討が進んでいる。今後、マイナス金利の深掘りに踏み切る場合、金融システムや金融市場における副作用の軽減策もセットで打ち出される可能性が大きいという。

  具体的には、マイナス金利深掘りの際は長期・超長期金利の一段の低下を回避する方策も合わせて導入し、全体として金融緩和の度合いが高まる方策を模索する見通し。長期・超長期金利が大きく低下する中で、9月会合では「適正なイールドカーブのあり方」も議論される可能性がある。

  また、低金利環境の長期化で累積している金融機関収益への悪影響を和らげるため、日銀当座預金のマイナス金利適用外の部分について、範囲を拡大することなども検討対象になる公算が大きい。

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