ドル・円は小幅高、中東情勢懸念は一時的との見方-108円台前半
酒井大輔
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は小幅上昇。序盤こそ中東情勢を巡るリスク回避で下押ししたが、もう一段の緊迫化が回避されそうなことや米中貿易協議への期待から一時1カ月半ぶりの高値を付ける場面もみられた。
ハイライト |
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市場関係者の見方
CIBC証券金融商品部の春木康部長
- 米国からは対中国にしても対中東に関しても強硬な姿勢が出ていないどころか、軟化姿勢が示されていることからリスク環境は良い
- 中東情勢は米国がイラン攻撃をするとより厳しい状況になるが、少なくともトランプ大統領は慎重姿勢。これ以上の地政学リスク拡大はないことが市場の安心感に
- サウジアラビアの石油施設に対して再攻撃のリスクがあることから、積極的にドル・円の高値を買うのは難しい
静岡銀行のNY支店マーケット担当の吉田真康氏
- サウジアラビアの石油施設への攻撃や原油価格上昇を受けた米株安は限定的。VIX指数もそこまで上がっておらず警戒していない。米長期金利もリスクオフの割に買われなかった
- 外交面でもトランプ大統領は足元ハト派で、戦争リスクはそこまで警戒されていない。原油価格の上昇も供給が回復すれば安定しそうで注視が必要
- 米長期金利の上昇圧力が残っており、ドル・円にとって、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を経てどの水準で落ち着くかが焦点に

背景
- トランプ米大統領は16日、週末のサウジアラビアの石油施設への攻撃の背後にはイランがいたようだが、どの勢力とも戦争はしたくないと述べた。一方、米国は「臨戦態勢」にあるともツイート
- 中国財政省の廖珉次官率いる実務者レベルの通商チームが18日に米国を訪問すると国営新華社通信
- 米商業会議所のトーマス・ドナヒュー会頭は16日に、米中は20日に次官級協議を予定と発言。完全な合意をまとめるのは「途方もない挑戦」とも
- 日経平均株価は前週末比13円高で取引を終了。一時109円安まで下落後に52円高まで反発する場面も
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