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マイナス金利深掘り、今会合ではなしとの見方が大多数-日銀サーベイ

  • 長期金利の変動幅拡大が21%、フォワードガイダンス強化が31%
  • 追加緩和でかえって限界露呈、期待に反する可能性「高い」が過半数

日本銀行が18、19両日開く金融政策決定会合で、マイナス0.1%の短期政策金利が据え置かれるとの予想がブルームバーグのエコノミスト調査で大多数を占めた。

  エコノミスト48人を対象に9-11日に実施した調査で、マイナス金利の深掘りを予想したのは6%にとどまり、何らかの政策変更があるとしても長期金利の変動幅拡大(21%)やフォワードガイダンス(政策金利の指針)の強化(31%)を挙げる向きが多かった。

  18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利下げは織り込み済みで、現状維持でもドル・円相場は「おおむね横ばい」との見方が65%と大勢だった。むしろ追加緩和を行えばかえって政策の限界を露呈することになり、日銀の期待に反した結果となる可能性が「非常に高い」「高い」との回答が52%と過半を占めた。

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  シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、米国の0.25%利下げを「市場は織り込み済みのため、市場の変動は限定的」と指摘、「基本的に政策据え置き」とみる。ただ、長期金利の低下を容認するためプラスマイナス0.2%を超える変動を認める方針をより明示的に示すと予想している。

  日銀が「今、最も頭を悩ませていることは何か」との問いの回答は「貿易戦争、世界経済を巡るリスク」(40%)が最多だった。次いで「円高」(21%)だったが、日銀がマイナス金利深掘りに踏み切るドル・円相場の想定水準を聞いたところ、中央値は1ドル=100円で、現状からは程遠い。

  伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは「現状維持に伴う円高圧力は限定的」と指摘。足元で円安が進んでおり、為替相場に対する影響を吸収できる余裕ができたことも「据え置きをサポート」するとみる。

マイナス金利深掘り観測も

  今会合で少数派にとどまったマイナス金利深掘り予想だが、10月まで含めると21%、年度内は31%と3割に達した。黒田東彦総裁が日本経済新聞とのインタビューで、マイナス金利深掘りは4つのオプションに「必ず入っている」と述べたことで、早期の実施に踏み切るとの見方も一部に出ている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは、「日銀はマイナス金利の深掘りに踏み切る覚悟をほぼ固めたもようだ。9月会合で議論され、黒田総裁が議案を出せば賛成多数で決まる」とみる。

  大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「インタビュー記事により日銀はマイナス金利の深掘りの地ならしを始めた。まさにピストルの引き金に指を掛けたような状況か」という。ただ、米国にはまだ弾がたくさんあるが、「日銀は一つしかない。それなら絶体絶命の時に残しておくべきだ」という。

  調査では、日銀が2016年9月に続く総括的な検証を行う可能性が「高い」との見方が46%に達した。野村証券の松沢中チーフマクロストラテジストとソニーフィナンシャルホールディングスの菅野雅明チーフエコノミストは、9月会合で総括的検証第2弾の検討を執行部に命じ、10月会合で具体策を打ち出すとみている。

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