【先週の新興国市場】リスク選好、貿易戦争休戦期待とECB緩和で
Bloomberg News新興国市場の通貨は2018年1月以降では最長の連続高となり、株式は6週間ぶりの高値に達した。世界的な金融緩和の流れと、米中貿易戦争が短期間であれ休戦に入るとの期待から、高リスク資産に対する投資家のセンチメントが上向いた。欧州中央銀行(ECB)が利下げと新たな刺激策を発表したことを受け、市場は米金融当局が追加緩和の期待に応えるのを待っている。
9月13日終了週の新興国市場の主なニュースは以下の通り。
主なニュース:
- トランプ米政権の当局者らは、中国から知的財産や農産物購入に関する約束を取り付けるのと引き換えに、一部関税の発動を延期あるいは撤回する限定的な貿易合意案を協議したと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした
- 中国は、昨年導入した25%の追加関税の対象から除外する米製品のリストを公表
- サウジアラビアで14日、石油関連施設が複数の無人機による攻撃を受けて火災が発生、生産量が半減
- ECBは中銀預金金利をマイナス0.5%に引き下げたほか、11月1日から月額200億ユーロ(約2兆3900億円)の債券購入を必要な限り実施する考えを発表
- 北朝鮮は東側の海に向けて「短距離飛翔体」を2発発射。その数時間前には、米国との非核化協議を再開する用意があると表明していた
- トルコ中央銀行は政策金利を3.25ポイント引き下げ、16.5%とした
- トランプ大統領は月内にイランのロウハニ大統領との会談を実現させようと、イランへの制裁緩和を議論し、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)の強い反対を招いた。事情に詳しい関係者3人が明らかにした
- 新興市場に投資する上場投資信託(ETF)には2週連続で資金が流入
資産別指数(ニューヨーク時間13日午後4時20分現在) | 週間 |
MSCI新興市場指数 | +1.9% |
MSCI新興国通貨指数 | +0.8% |
ブルームバーグ・バークレイズ新興国市場の自国通貨建て国債指数(12日まで) | +0.4% |
アジア:
EMEA:
中南米:
- アルゼンチンが先に導入した資本規制が、利払いを待つ債券投資家への障害となっている
- 12月に誕生するアルゼンチン新政府の経済政策が判明するまで、国際通貨基金(IMF)が同国向け54億ドル(約5800億円)の次回分融資を実施する公算は小さいと、関係者が述べた
- メキシコのインフレ率は8月に大きく鈍化、中央銀行の目標値近辺にとどまった
- ブラジルの経済活動は7月に縮小
今週発表のデータ |
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原題:EM Review: Trade Truce Hopes, ECB Bazooka Fueled Risk Appetite(抜粋)
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