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Photographer: AMELIE QUERFURTH/AFP
Cojp

ECB:マイナス金利深掘り、QEも再開-ドラギ総裁が押し切る

更新日時
  • 一部中核国の中銀総裁はQE再開に抵抗を示していた
  • ドラギ総裁は10月に退任、政策決定はあと1回

欧州中央銀行(ECB)は12日、中銀預金金利をさらに深くマイナスとし、債券購入を再開すると発表した。ドラギ総裁は最後から2回目の政策決定で、自身の景気刺激策に対する批判を抑えユーロ圏経済活性化への仕上げを断行した。

  ECBは中銀預金金利を0.1ポイント引き下げマイナス0.5%とした。債券購入は11月1日から月額200億ユーロ(約2兆3500億円)で、インフレ目標の達成に必要な限り行う。一部の超過準備についてマイナス金利を免除する措置も導入する。

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  ドラギ総裁は政策発表後の記者会見で、「当分の間このペースで、債券購入を続ける余裕がある」と述べた。「ユーロ圏がリセッション(景気後退)入りする確率は低いと依然考えているが、確率は上昇した」との認識も明らかにした。
 
  ECBはまた、金利のフォワードガイダンスを変更し、2%弱としているインフレ率の目標に「しっかりと」見通しが収束していくまで現行またはそれ以下の水準にとどまるとした。これまでのガイダンスでは2020年半ばまで現水準の低金利を維持するとしていた。長期リファイナンスオペ(LTRO)の条件も更新し、0.1ポイントの上乗せ金利を削除した。

  この発表直後にユーロ圏国債は上昇したが、急速に上げを失った。反射的に下げたユーロも切り返した。

  トランプ米大統領は、米金融当局が「ただ座視している」間に、ECBは「素早く行動している」とツイートした。大統領はECBの緩和政策を理由に米連邦公開市場委員会(FOMC)に積極的な利下げを迫ったことがある。

  大統領のツイートについて質問されたドラギ総裁は、「ECBは為替レートを目標にしない。以上だ」と言明した。

Below Zero

The ECB and Denmark’s central bank cut rates on Thursday

  今回のような広範な措置が政策委員会で認められたことはドラギ総裁の勝利だ。ドイツやオランダなど複数のユーロ圏中核国の中銀総裁らは今回の政策委員会会合を前に、量的緩和(QE)について、見通しが悪化した場合の最後の手段として温存すべきとの考えを示していた。

  ドラギ総裁は、QEを巡り「さまざまな見解がある」ことは認めたものの、「最終的には極めて幅広い合意があったため採決の必要もなかった」と説明した。ECBが自ら課している債券購入の上限を引き上げようという意思はなかったと述べた。これは、金融政策と財政政策の境界があいまいになる懸念からQEを批判する勢力が重視する点だ。

  ブルームバーグ・エコノミクスのジェイミー・ラッシュ、デービッド・パウエル両氏は、QEの購入月額は予想より小さかったが、期間がオープンエンドでインフレ動向と連動している点から、最終的に非常に大きな規模になり得ると分析した。

  しかし、ECB最新の措置が期待通りの効果を生むかどうかには疑問が残る。長期金利は既に極めて低く、再開された債券購入には前回ほどの利回り押し下げ効果はない可能性もある。マイナス金利がむしろ融資を減らすとの研究結果もあり、ECBが銀行の負担を和らげる措置を講じたことはこうした不安を高めそうだ。

  ECBに残された政策手段を巡る疑念は、財政政策に注目を向かわせる。「全会一致だったことが一つある。それは、財政政策が主役になるべきだということだ」と総裁は述べた。

Euro-area industrial production declined at the start of the new quarter

原題:ECB Cuts Rates, Revives QE to Lift Growth as Draghi Era Ends (4)(抜粋)

(第3段落以下に総裁のコメントなどを追加します.)
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