コンテンツにスキップする

香港の混乱で台湾政治の風向き一変-再選目指す蔡総統の支持広がる

  • 蔡氏最大のセールスポイントは中国に対するぶれない姿勢
  • 「一つの中国」という考え方を蔡氏は拒否-中国は民進党を批判

2019年を迎えたころ、蔡英文氏は任期1期限りで政権の座を降りる台湾初の総統となるリスクに向き合っていた。だが香港の混乱が台湾政治の風向きを一変させた。

  6月に香港で街頭デモが始まる前、世論調査で支持率をある程度取り戻していた蔡氏だが、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する香港の人々の抗議活動は、来年1月の台湾総統選での再選を目指す民主進歩党(民進党)の蔡氏への支持を顕著に押し上げた。

TAIWAN-POLITICS-DEFENCE

蔡英文氏

Photographer: Sam Yeh/AFP via Getty Images

  台湾の人々は香港で起きていることを不安を抱きながら注視しており、特に地下鉄で抗議参加者を殴打する警官の様子などデモ隊に対する取り締まりに強い関心が集まる。蔡氏最大のセールスポイントは中国に対するぶれない姿勢だ。中国側が譲れない一線としている「一つの中国」という考え方を蔡氏は拒否している。

  中国の習近平国家主席は1月2日の演説で、中国と台湾が統一に向けて取り組むため「徹底的な民主的協議」を開始することを提案し、中台双方が「一つの中国」に属するとの立場を堅持するとの合意が守られなければならないとした。想定されるモデルとして、英国からの返還後の香港に適用された「一国二制度」に触れた。

  

Catching up

  蔡氏はフェイスブックへの8月の投稿で、自身が総統にとどまる限りにおいて、台湾は決して香港のようにはならないと明言。9月に入ると2014年の香港民主化デモ「雨傘運動」を率いた活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が台湾を訪れ、民進党の幹部らと会談した。

  中国は独立志向の強い民進党が香港での抗議活動をあおっていると主張してきた。国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は11日の記者会見で、民進党に対して「黒い手」で香港に干渉することと「過激派」をかくまうことをやめるよう求めた。

  香港で民主化を支持する抗議活動が拡大する前は、蔡氏の支持率は国民党の公認総統候補となった韓国瑜高雄市長に2桁の大差で引き離されていたが、8月後半のTVBSの調査によれば、蔡氏は韓氏を8ポイントの差でリードしている。蔡氏支持者の多くは40歳未満の有権者だ。

  台湾総統が初めて直接選挙で選ばれたのは1996年。当時の李登輝総統が初の民選総統となるのを阻止しようと、中国人民解放軍は台湾海峡へのミサイル発射など軍事演習を行ったが、李総統が当選した。

原題:Taiwan’s Tsai Rises From Ashes With a Hand From Hong Kong、China Urges Taiwan ‘Black Hand’ to Stop Hong Kong Interference (抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE