【米国株】S&P500種が小幅高-終盤に下げ埋める
Vildana Hajric、Sarah Ponczek
10日の米株式市場では、S&P500種株価指数が小幅高。日中軟調に推移していたが、終盤に下げを埋めた。米国債利回りは5営業日連続で上昇した。
ダウ工業株30種平均も軟調な展開だったが、中国が米農産品の購入拡大で合意する可能性があるとの一部報道に反応してプラス圏に浮上する場面があった。その後再びマイナス圏となったが、結局上昇して終了した。
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ミラー・タバクの株式ストラテジスト、マット・メイリー氏は、市場は現在、金融政策と貿易戦争との間で綱引き状態にあるとの見方を示した。
この日は、今年最も好調なパフォーマンスを見せた業種を中心に下落。逆にこれまで低調だったエネルギーや小型株は上昇した。
S&P500種株価指数は0.1%未満上げて2979.39。ダウ工業株30種平均は73.92ドル(0.3%)高の26909.43ドル。ナスダック総合指数は小幅に下げた。
ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて1.73%。最近の国債相場下落について、ソシエテ・ジェネラルのチーフグローバル為替ストラテジスト、キット・ジャックス氏は「8月に見られた利回りの大幅な動きの調整であり、トレンドが変わったわけではない」と分析した。
ニューヨーク原油先物相場は反落。トランプ大統領がボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を解任したと明らかにした後に急落した。中東やアジアで地政学的な緊張が高まっている中、対外強硬派のボルトン氏解任により、トランプ政権が外交手段の一環として軍事力の行使に傾くとの懸念が沈静化する可能性がある。エクセル・フューチャーズのマーク・ワゴナー社長は、「ボルトン氏が石油市場に持ち込んだリスクプレミアムは基本的に消失した」と指摘。このニュースを受けて「原油価格がさらに1ドル下げても驚かない」と述べた。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は45セント(0.8%)安の1バレル=57.40ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は21セント安の62.38ドル。
ニューヨーク金先物相場は4営業日続落。上昇基調が4カ月続いたことで一服感が広がった。また欧米の金融政策決定会合が近づいていることから様子見姿勢も広がった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は11.90ドル(0.8%)安の1オンス=1499.20ドル。1カ月ぶりに1500ドルを割り込んで引けた。
原題:Stocks Push Higher at Close; Treasury Yields Rise: Markets Wrap(抜粋)
Crude Oil Falls After Trump Dumps Hawkish Aide John Bolton
PRECIOUS: Gold Hits One-Month Low as Central Bank Policy Awaited