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バリュー相場到来、「マグニチュード大も」-日本株出遅れ修正へ

更新日時
  • TOPIXグロースをバリューで割ったレシオは大きく低下
  • 経済サプライズ指数は反転、16年のバリュー大相場と類似-楽天投信

世界景気の先行き懸念からグロース銘柄が長らく優位だった日本株市場で、バリュー銘柄が息を吹き返しつつある。米国長期金利の反転で巻き戻しの兆しが出ており、バリューが多い日本株に追い風となるだけでなく、2016年の大相場型が再来する可能性がある。

  10日の日本株市場ではTOPIXのバリュー銘柄で構成されるTOPIXバリューが1.4%高と4日続伸したのに対し、グロース銘柄から成るTOPIXグロースは0.5%安と4日ぶりに反落。この結果、グロースをバリューで除したレシオはこの10年で最大だった8月27日の1.267から1.235に急低下した。安定成長のグロース株に対し、バリュー株は景気敏感が多い。

グロース優位は歴史的高水準に

  グロースとバリューのレシオは17年以降右肩上がりで、ことし1月後半から上昇基調が強まっていた。最近のバリュー優位局面は18年9-10月や、12月中旬からことし1月下旬など比較的短期間が多い。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱決定とトランプ米大統領が誕生した16年7月から12月までは大きなバリュー相場となった。

Inside the Tokyo Stock Exchange As Banks Continue Rally Following Yields Spike

東証

  楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長は「景気トレンドが下に向いていく中で景気敏感であるバリューの優勢がトレンドとなったケースはあまりない」と指摘しつつ、今は「米長期金利が反転したことでバリューが持ち直している。今回は16年の英のEU離脱決定直後よりもグロースが買われた状態で、投資家のポジションが少し戻るだけでもマグニチュードは大きい」とみる。

  平川氏が16年当時を振り返って指摘するのがシティグループが算出する経済サプライズ指数の動きだ。「経済指標は悪い数字が出ているが、マイナス幅は縮小している。米国や中国がこれから政策対応を行ってくる中で、株式相場の下値不安は後退しつつある」とした上で、「16年も7月から本格的なバリュー買いが始まる直前に中国や米国のサプライズ指数が手前で反転していた」と言う。

16年はバリュー優位の直前に指数が反転

  日本株は自動車や金融、素材といったバリュー株の比重が大きいとされており、グローバルでのグロース優位の中でパフォーマンスが劣後している。9日時点の年初来上昇率は米S&P500種株価指数が19%、独DAX指数が16%に対してTOPIXは3.8%にとどまる。バリューが優位となれば日本株の出遅れが修正される可能性が出てくる。

  CLSA証券の釜井毅生エグゼキューション・サービス統括本部長は「投資家は日本株に引きつけられるような材料を探している。バリュー株に対するグロース株のアウトパフォーマンスのトレンド反転はバリュー投資家が日本株へ再配分する引き金となるかもしれない」とみる。

  もっとも、バリュー株見直しのきっかけとなった米長期金利の先行きについては懐疑的な見方もある。JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは「グローバルにみて金融緩和を織り込んでいる状況で、インフレはどこにも見当たらないと投資家は思っている」とし、グロース優位が「終わる可能性は見えづらい」と述べた。

  米国株市場での流れを引き継いで11日の東京株市場でもバリュー株買いが加速。三菱UFJフィナンシャル・グループが4.4%高となるなど金融株が連日で大幅に上昇したほか、自動車や非鉄、海運の上げも大きかった。TOPIXのグロースをバリューで除したレシオは1.222と、7月25日以来1カ月半ぶりの水準まで低下した。TOPIXはことし最長の5連騰で7月5日以来の高値に回復した。

(最終段落できょうの相場動向を更新します)
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