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サンフランシスコの非営利団体が宇宙開発に参入、人類の月移住目指す

  • テクノロジー業界幹部やエンジニアらがオープン・ルナに参加
  • 航空宇宙技術の劇的な進歩とロケット打ち上げコスト低下が追い風

このところ月への関心が高まっている。中国は月への有人飛行を目指しており、米国と米航空宇宙局(NASA)も同様だ。実際、宇宙プログラムを備える国々のほぼ全てが月に何らかの野心を持っており、向こう数年で実現することを望んでいる。

  そうした新たな宇宙開発競争に新規参入したのが、非営利団体のオープン・ルナ・ファンデーションだ。サンフランシスコに本拠を置く同団体はテクノロジー業界幹部やエンジニアで構成され、その多くがNASAとつながりがあり、人類の月への移住を実現するという大志を抱いている。

  オープン・ルナが掲げるのは特定の国や資産家に頼らない開発の開始だ。一種の共同の取り組みとして、月での探査・居住に向けたテクノロジーの創出を目指す。

  運営・人事責任者のチェルシー・ロビンソン氏は「われわれの最大の野心は平和的で協力的な月入植を促進・実現することだ」と説明。「極めて多くの商業・政府関係者が月への取り組みを進めるこの時期に、市民的なアプローチを示すことにわくわくしている」と述べた。

  オープン・ルナは数年前、ある種のブレーンストーミングとして始動。航空宇宙技術の劇的な進歩に加え、イーロン・マスク氏率いるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)やピーター・ベック氏のロケットラボといった企業のおかげでロケット打ち上げコストが低下したことが追い風となった。20億-30億ドル(約2100億-3200億円)程度で小規模な月面コロニーを作れる日も近いと気付いたメンバーは、巨額ではあっても、裕福な宇宙ファンが数多くいる時代には実現の可能性が極めて高いと考え、月に行くというアイデアを真剣に探究することを決めた。

  オープン・ルナに当初資金を提供したベンチャーキャピタリストのスティーブ・ジャーベットソン氏は「そうしたアイデアと関係者の熱意に興奮した」と語る。

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アルゼンチンのブエノスアイレス州アベジャネーダから見た三日月(8月6日)

写真家:JUAN MABROMATA / AFP

  オープン・ルナのメンバーには、国際宇宙ステーション(ISS)滞在経験のある宇宙飛行士のクリス・ハドフィールド氏のほか、人工衛星メーカー、プラネット・ラボズの共同創設者ウィル・マーシャル氏とロビー・シングラー氏、NASAエイムズ研究センターのピート・ウォーデン元所長、スペースXとプラネット・ラボズの両方に投資しているジャーベットソン氏らが名を連ねる。

  ポリシー・ガバナンス担当ディレクターを務めるジェシー・ケイト・シングラー氏は「われわれが積極的に関与しなければ、当然ながら、人類の宇宙移住の将来は現在の権力構造が反映されたものとなるだろう。月での状況を変えるためには、今スタートする必要があった」と述べた。

  オープン・ルナの計画はまだ定まっていない。今のところ約500万ドルの活動資金があるが、月への飛行を可能にするハードウエアの購入などで一段の資金を集めることが目標だとロビンソン氏は語る。さらに、共同の惑星間移住を実現する目標に向け、より多くの資金調達も目指していくという。

原題:The Silicon Valley Heavyweights Who Want to Settle the Moon(抜粋)

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