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あす内閣改造、日韓対立や日米貿易交渉の閣僚人事など焦点

  • 麻生財務相、菅官房長官、二階自民幹事長は続投と報道、骨格維持へ
  • 安倍首相は新たな人材の突破力に期待、「ポスト安倍」処遇も注目点

安倍晋三首相は11日、内閣改造と自民党役員人事に踏み切る。11月には通算在職日数が戦前の桂太郎元首相を抜いて歴代最長政権となるが、悪化した日韓関係への対応や日米貿易交渉、消費増税、社会保障制度の抜本改革、憲法改正など政策課題は山積。適材適所の登用が実現するかどうか、見どころを探った。

  2日の政府与党連絡会議で安倍首相は、「安定と挑戦の強力な布陣を整えたい」との方針を示した。8月のフランスでの記者会見では「少子高齢化を始め困難な課題に、気持ちも新たに、果敢に挑戦していくことも大切だ。新たな人材に突破力を発揮してもらう」と述べていた。

Japan's Ruling Party Leadership Vote As Abe Set to Extend Six-Year Run in Power

内閣改造、自民党役員人事に踏み切る安倍晋三首相(2018年の党総裁選時)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  東京大学大学院の内山融教授は、歴代最長政権が視野に入ることもあり、今回の改造は「骨格」を維持する「安定志向」との見方を示す。消費増税を考えると、経産相や経済再生担当相は「重要なポストになってくる」とした。また小泉進次郎氏や茂木敏充経済再生担当相の処遇など「ポスト安倍」を占う動きも注目点だと指摘した。

1.安定と継続性

  2012年末の政権発足以降、安倍首相を支えてきた麻生太郎副総理兼財務相(78)、菅義偉官房長官(70)、自民党の二階俊博幹事長(80)ら「骨格」を維持するとNHKなど報道各社は報じている。連立政権を組む公明党の山口那津男代表も2日、「政権の骨格を維持する、継続性は大事な要素」との認識を示した。

  麻生氏の財務相(蔵相)としての在任期間は戦後最長、菅氏は歴代最長となっている。二階氏は16年8月の幹事長就任から3年を超えている。 

2.日韓対立

  対立を深める韓国との関係で懸案を抱える関係閣僚の人事も焦点だ。河野太郎外相(56)は徴用工問題に関し、韓国駐日大使に「極めて無礼」と強い言葉で不快感を伝えるなど厳しく対応してきた。世耕弘成経済産業相(56)は韓国への輸出管理を厳格化、韓国政府は対抗して日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を表明した。

  共同通信は河野外相を岩屋毅防衛相の後任に横滑りさせるとともに、世耕経産相は退任、党の参院幹事長への就任が検討されていると報じた。

3.日米貿易交渉

  日米貿易交渉は先月の首脳会談で原則合意に達し、9月中の署名を目指している。交渉を仕切った茂木経済再生担当相(63)の手腕を安倍首相は高く評価しており、外相に充てる方針と朝日新聞などが報じている。

  ただ、米国が検討する日本車への追加関税25%の発動回避は確約されていない。現在両政府で詰めの作業がなお続いている状況で、日本側の懸念は依然残っている。米側のライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との関係を考慮して茂木氏が外相横滑り後も同交渉を引き継ぐのかも注目点。

4.女性閣僚

  安倍政権は「女性活躍」を掲げるが、現在の内閣で女性は片山さつき地方創生担当相の1人だけだ。14年9月の改造で、経産相の小渕優子氏や総務相の高市早苗氏ら一時5人が入閣したが、その後は減少が続いた。

  産経新聞などによると、五輪メダリストの橋本聖子前参院議員会長(54)の五輪相としての初入閣が有力になっている。また時事通信などは党女性局長の三原じゅん子氏(54)の入閣も浮上していると報じている。

5.ポスト安倍

  次の首相にふさわしい人物について、日経新聞が2日に報じた世論調査では、小泉進次郎氏(38)が29%で最も多かった。2位は安倍首相、3位が石破茂元幹事長だった。

  菅官房長官は先月、小泉氏の入閣について会見で問われた際、党の農林部会長や厚生労働部会長として「経験を積んでいる」と評価。「今後の活躍を期待している」と語った。

  このほかのポスト安倍候補として自民党内で名前が挙がっている岸田文雄政調会長(62)の再任も固まったほか、加藤勝信総務会長(63)の再入閣が検討されているとNHKは伝えている。

 

  

  

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