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ドラギ総裁のECB緩和、通貨戦争を引き起こさないか-12日政策発表

  • トランプ大統領はこれまでにもユーロ安を批判
  • ユーロは先週1.10ドルを下回り対ドルで2年ぶり安値を付けた

欧州中央銀行(ECB)のドラギ 総裁は今週、景気てこ入れのための金融緩和策を打ち出す見込みだ。その中心は利下げになるとみられるが、これはユーロ圏と他の国・地域との金利差を拡大させて為替相場に影響し、トランプ米大統領が不満を募らせるかもしれない。

  ドラギ総裁には、ECBの目標は物価安定であってユーロ押し下げではないという正論があるが、トランプ大統領などが「為替戦争」だと主張しない保証はない。大統領はこれまで米金融当局に金利を引き下げるよう圧力をかける際、ユーロの弱さに言及している。

European Central Bank President Mario Draghi Announces Rates Decision

ドラギ総裁

  ソシエテ・ジェネラルのチーフグローバルFXストラテジスト、キット・ジャックス氏は「ドラギ総裁は大きな措置を望んでいる」と述べ、利下げはあるとみる。「それが為替相場を大きく動かすかどうかは分からないが、動きが大きいほど、米大統領が反応する可能性は高くなる」と話した。

  ECB緩和への期待を背景に、ユーロは先週1.10ドルを下回り、対ドルで2年ぶり安値を付けた。円とスイス・フランに対しても2017年以来の安値となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は来週、0.25ポイントの利下げを決めると見込まれ、日本銀行もマイナス金利の深掘りを検討する可能性がある。スイス中銀はフラン上昇を抑えるため為替市場での介入を先月強化したもようだ。

   UBSスイスの欧州マクロ経済責任者、リカルド・ガルシア氏は、まだ通貨戦争と呼ぶ段階ではないとしているが、トロント・ドミニオン銀行の外為戦略欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏は、ECBの措置がトランプ大統領からの報復を引き出すリスクを指摘する。

  「問題は、ECBの決定が米国から自動車関税などの報復措置を引き出さないかということだ」として、大統領がECBを理由に連邦準備制度に圧力をかけるだけではなく「ユーロ圏に対してより攻撃的になるようならば、対立の新しい段階に入ったとみることができるだろう」と同氏は述べた。

The euro and bond yields have sunk as stimulus looks more likely

原題:Draghi Primes ECB Easing That Will Test Global Currency Defenses(抜粋)

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