日本株は続伸、世界的な金融緩和期待でリスク選好-全業種高い
長谷川敏郎
更新日時
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8月の米雇用者数は予想下回る、米FRB議長は適切に行動と発言
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米VIXは急低下、中国は預金準備率を引き下げへ
9日の東京株式相場は続伸。米国での利下げ観測や中国の預金準備率引き下げなど世界的な金融緩和期待からリスク選好の流れが強まり、医薬品や食料品など内需関連、保険や銀行など金融、非鉄金属中心に全業種が高い。
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<きょうのポイント>
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松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは、「パウエルFRB議長の発言や中国の預金準備率引き下げ、日銀総裁のマイナス金利深堀り示唆など、株式が買いやすい環境が戻ってきた」と述べた。パウエル議長は今月の25ベーシスポイントの利下げを示唆し、「秩序だった米利下げによる景気刺激策は安心感をもたらした。もし50ベーシスポイントなら米経済の先行きに市場で不安が高まりかねなかった」と言う。
グローバルな金融政策への期待が指数を押し上げた。雇用統計を受けた米国株のボラティリティー(変動性)の指標であるVIXは先週末に15と7.8%低下。TOPIX、日経平均とも8月1日以来の高値を付け、戻りを試す展開となった。
東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「米民間雇用者数が予想ほど伸びず、今月に利下げは確実にある」と指摘。さらに「中国が前回1月に預金準備率を引き下げた際は貸し出しが伸び、製造業PMIが好転した経緯がある。市場が予想していたより引き下げ幅は大きく、中国の景況感好転につながるため日本株にプラス」とみていた。

- 東証33業種ではその他金融や建設、非鉄金属、食料品、小売、保険、医薬品が上昇率上位
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