【債券週間展望】長期金利低下か、緩和期待やリスクオン修正の見方で
船曳三郎9月第2週(9-13日)の債券市場では長期金利が再び低下すると予想されている。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が根強い中、日本銀行の追加緩和期待が高まりやすい上、米国経済に対する楽観的な見方を背景としたリスク選好の動きも後退しそうだとの声が聞かれる。
市場参加者の見方
◎野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト
- 米国は予想を上回ったISMの非製造業景況指数より、悪化している製造業景況指数の方が正しい方向性を示している可能性が高く、足元のリスクオンによる米金利上昇はだましの部分が結構ありそう
- ECB理事会で20ベーシスポイント(bp)の利下げや量的緩和への言及があればユーロ安・円高になりやすく、12日の長期・超長期オペは減額しないだろう
- 5年債入札では、減少していた海外勢によるキャリー狙いの投資が戻ってきてもおかしくない
- 先物の限月交代では、海外勢のロングに対し、都市銀行や証券会社のショートのカバーが入らないかどうか注視
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.30%~マイナス0.23%
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
- 高値圏でもみ合いが続く。ユーロ圏や米国で金融緩和政策が強化される見通しで、各国中央銀行の金融緩和姿勢に支えられて底堅く推移する
- ECBは金融緩和策を決定しようが、期待されたほど大規模にはならないとの見方もあり、ドイツ10年国債利回りに上昇圧力がかかる可能性には注意
- 5年債入札では、中期債に海外勢の需要が続いており消化に問題はないだろう
- 高値警戒感から上値追いには慎重な姿勢が続こうが、下値では投資家の押し目買いが見込める
- 長期金利の予想レンジはマイナス0.28%~マイナス0.22%
日銀オペ予定
対象年限 | 直近オペの金額 | |
---|---|---|
12日 | 5-10年 | 4000億円 |
10-25年 | 1400億円 | |
25年超 | 400億円 |
過去の日銀国債買い入れオペの結果一覧
国債入札予定
年限 | 発行予定額 | 前回の表面利率 | |
---|---|---|---|
9日 | 流動性供給(1年超5年以下) | 4000億円程度 | ー |
11日 | 5年債 | 1.9兆円程度 | 0.1% |
13日 | 流動性供給(5年超15.5年以下) | 6000億円程度 | ー |
主な材料
- 11日:内閣改造、自民党役員人事
- 12日:ECB政策決定会合、ドラギ総裁会見
- 12日:8月の米消費者物価指数
- 13日:8月の米小売売上高
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