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香港行政長官の譲歩、「5大要求」デモ隊に不満も-普通選挙は高い壁

  • 林鄭長官が逃亡犯条例改正案の正式撤回を表明-4日の香港株大幅高
  • 5大要求のうち普通選挙は中央政府が明確に否定-今後数週間が鍵

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を発表したが、今では抗議活動参加者の要求はそれだけにとどまっておらず、今後もデモを続ける構えだ。

  街頭デモが3カ月にわたって続いていることを受け、林鄭長官は4日夜にこれまでで最も大幅な譲歩を示した。厳粛な雰囲気の中で行ったテレビ演説で、1997年の中国への香港返還後で最も大きな混乱を招いた条例改正案の正式撤回を求めるデモ隊の要求に応じると表明した。

Hong Kong’s Lam Says She Has Never Asked Beijing to Resign

香港の林鄭月娥行政長官(3日)

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  だが、林鄭長官の演説前から民主化を求める活動家や議員は長官の歩み寄りは少な過ぎ、遅過ぎると既に訴えていた。抗議者側は「5大要求」のうち他の4項目の受け入れも迫っているが、最も重要な普通選挙の実施は北京(中央政府)が今週明確に否定した。

  民主派の楊岳橋・立法会議員は「香港市民は満足しないだろう。3カ月に及ぶ血と汗と涙を考えれば当然だ」と話す。

  林鄭長官と同長官を支持する中央政府が激しくなる一方の抗議活動を今回の改正案撤回で思惑通りに和らげられるのか、今後数週間で明らかになるだろう。

Demonstrators Stage Second Day Of Strike Rally In Hong Kong

香港のスト集会に参加するデモ隊(3日)

Photographer: Kyle Lam/Bloomberg

  投資家は逃亡犯条例改正案撤回を歓迎、4日の香港ハンセン指数が10カ月ぶりの大幅上昇となった。だが、大半のアナリストは今回の株高が売り込まれてきた香港株の一時的な戻りにすぎないとみている。

  改正案の正式撤回を含め、林鄭長官の最大の譲歩は暴力のエスカレートを受けたものだったため、何十万人もの人々が参加する平和的な行進よりも過激な行動の方が効果的だという考えを後押ししている。

  焦点はデモ参加者が最終目標に向けた推進力を保つことができるかどうかだ。林鄭長官は自身として最善の提案を俎上(そじょう)に載せ、普通選挙の導入という最も難しい要求は北京だけが決めることができることを示唆した。

  ロンドン大学SOAS中国研究所の曽鋭生所長は「香港における正真正銘の民主主義は議題にならず、今後もないだろう」と指摘。北京側が「態度を軟化し続けることはないだろう。習近平国家主席は香港のデモ隊が共産党に勝利することを許すわけにはいかない」と話した。

Unrest In Hong Kong During Anti-Government Protests

民主化運動活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏と周庭(アグネス・チョウ)氏

Photographer: Anthony Kwan/Getty Images

原題:Lam’s Retreat in Hong Kong Fails to Satisfy Impatient Protesters(抜粋)

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