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英下院、EU離脱延期法案の審議入り可決-首相は総選挙辞さず

更新日時
  • 過半数失ったジョンソン首相にとって超党派動議可決はさらなる打撃
  • ポンドは1.21ドル台に上昇-造反も招いた下院採決の結果受け
ジョンソン首相

ジョンソン首相

Source: Jessica Taylor/UK Parliament
ジョンソン首相
Source: Jessica Taylor/UK Parliament

英下院では3日、欧州連合(EU)離脱延期の申請をジョンソン首相に強制する法案の審議入りに向け、議会の議事運営を掌握するための動議が賛成多数で可決された。採決で敗れたことを受けて、首相は政府が解散総選挙実施の動議を提案することも辞さないと表明した。

  法案審議入りに向けた超党派の動議は賛成328、反対301で可決され、同法案は下院で4日に審議される。ジョンソン首相率いる保守党政権は3日、保守党議員1人が野党の自由民主党にくら替えしたため下院の過半数議席を失っており、超党派の動議可決はさらなる打撃となった。ジョンソン首相は造反した議員を除名すると警告していたが、21人が超党派動議に賛成票を投じた。

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ジョンソン首相(9月3日)

Source: UK Parliament

  ジョンソン首相は、必要であればEUとの合意のないまま現行期限通り10月31日の離脱も辞さないとしている。これに対し、合意なき離脱は経済的な大惨事をもたらしかねないとして取りまとめられた同法案は、離脱期限を来年1月31日まで延期するよう首相に強制する内容。

  ジョンソン首相は「議会は、われわれが取り結べるかもしれない合意をつぶそうとしている」とした上で、「私は総選挙を望んでおらず、国民も同じだ」と言明。ただ、下院が離脱延期の申請を強制する法案を可決するなら、この問題を解決するために誰が10月17日から開かれるEU首脳会議出席のためブリュッセルに向かうかを「英国民は選ばざるを得なくなるだろう」と語った。

  ジョンソン首相が総選挙実施の動議を提出した場合、その可決には下院計650議席中の3分の2以上に当たる少なくとも434議員の賛成が必要。野党労働党のコービン党首は首相に対し、離脱延期法案の成立を容認するなら総選挙実施は可能だと述べた。総選挙で過半数議席を確保すれば、同法を廃案にできるため、首相は恐らくこの提案を受け入れると考えられる。しかし、支持が得られずに首相にとって裏目に出る可能性もあり、事態は今後の議会の動向に左右される。

  離脱延期法案の審議入りが可決された後、外国為替市場で英ポンドは3日に付けた約3年ぶり安値から反発。日本時間4日午後0時36分現在、0.3%高の1ポンド=1.2112ドルで推移している。

  保守党院内幹事は3日の採決後、ハモンド前財務相を含む造反議員21人に対し、除名を言い渡した。ジョンソン首相はこの日だけで合わせて22人の議席を失い、計289議席の保守党勢力で政権を率いることとなった。このため、総選挙実施の動議が週内に採決・可決されないとしても、遠くない将来の実施は避けられそうにない。

  

原題:U.K. Parliament Takes Key First Step to Blocking No-Deal Brexit
Wounded Johnson’s Brexit Plan in Tatters as Election Fight Looms
(抜粋)

(ポンド相場の動向などを追加して更新します.)
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