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Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

5Gファンドに資金流入、三井住友TAの投信は5カ月で1000億円超

  • 中国以外にも供給網、米中摩擦の影響受けにくい-三井住友TA
  • 投資先はインフラから医療分野などサービスに拡大へ-アイザワ証
Signage for 5G is displayed at the China Unicom Hong Kong Ltd. booth at the MWC Shanghai exhibition in Shanghai, China, on Thursday, June 27, 2019. The Shanghai event is modeled after a bigger annual industry show in Barcelona.
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

次世代通信規格(5G)のファンドに資金が流入している。恩恵を受ける分野が幅広く見込まれ、株式相場が低迷する中でも息の長いテーマとして期待されるためだ。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントが手掛ける投資信託商品「次世代通信関連ファンド(THE 5G)」の3月末純資産総額は2643億円、8月30日には約4割増えて3746億円に拡大した。基準価額は3月末の1万596円に対して8月30日は1万423円。同社によると5Gをテーマにしたファンドでは国内最大。

THE5Gファンドの純資産は拡大が続いている

  同社執行役員の大野宏央氏は人気の背景を「安定した長期投資への魅力」と分析。組み入れ上位には、米国のアルティスUSAキーサイト・テクノロジーズなどインフラ関連が入るが、国内では村田製作所が2.9%で10位に入る。

  5Gの通信速度は4G(LTE)と比べて約100倍になるため、自動車の自動運転など高度な画像処理を必要とする分野での活用が見込まれる。米国や韓国の一部で始まった5G関連サービスは、来年、日本でも商用ベースで開始される。大野氏によると、これによりインフラ整備が中心の投資対象は5Gを活用した新たなサービス企業へと広がる。

始まったばかりの5G投資

  アイザワ証券市場情報部の坂瀬勝義国内情報課長は、5G関連について「いまは基地局建設やデバイス開発などインフラ整備の第1段階で、投資テーマは始まったばかり」と指摘。将来は5Gサービスの進展に伴い、リアルタイムかつ大量のデータ送信が可能な特徴を生かした「新たなビジネスが出現してくる」とし、その中でも「画像診断や遠隔手術など医療分野が潜在的に成長の可能性が高い」とみる。

  野村証券は6月のリポートで、日本の素材メーカーでは5G基地局や大規模アンテナ関連などで世界的に高いシェアを有する企業が多く、今後も国内外で設備投資動向に応じた需要増が見込めると分析。テスト機器やネットワークシステム、電子材料、基地局の建設など設備系に続き、20年からは商用サービスに成長が波及すると分析する。

野村証が注目する主な5G企業

注目時期設備系
19年富士通、伊藤忠テクノソリューションズ、TDK
20年NEC、パナソニック、ネットワンシステムズ、クラレ、住友化学、日本曹達、デンカ、ダイセル、日立化成、村田製作所、アドバンテスト、ディスコ
20年以降三井金属鉱業、古河電気工業、住友電気工業、AGC,日本ガイシ、コムシスホールディングス、協和エクシオ
サービス系
19、20年ネクソン、ソフトバンク、電通、日本テレビHD、フジ・メディアHD
20年以降ゲーム業界全般、KDDI、NTTドコモ、東宝、東映、セコム、綜合警備保障、エムスリー

 
  5Gというテーマについて、アイザワ証の坂瀬氏は、「いまは投資対象としてより魅力的に映る」と話す。米政府による華為技術(ファーウェイ)への輸出規制が5G成長スピードを鈍化させ、関連銘柄の株価が抑えられたためだ。三井住友TAの大野氏は、世界各国が国策として5Gを推進しており、「中国以外にも強固なサプライチェーンが存在しているため、相対的に米中摩擦の影響を受けにくく安心感がある」と語った。

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